富士通“システム稼働直後から欠陥を把握”認める 英郵便局えん罪事件
イギリスの郵便局をめぐるえん罪事件で、原因となった会計システムを納入した富士通は19日、イギリス政府の調査に対して、会計システムの稼働直後から欠陥を把握していたことを認めました。
この問題は、1999年から富士通が納入した会計システムによって会計記録と郵便局の残高が一致しなくなったことから、横領や詐欺の疑いで700人あまりが刑事訴追されたものです。その後、会計システムに欠陥が見つかったため、現在、えん罪事件として有罪判決の破棄などを含め、調査が続いています。
こうした中、富士通のポール・パターソン執行役員は19日、イギリス政府の調査に対して、会計システムの稼働直後の1999年時点で、富士通側が欠陥を把握していたことを認めました。
パターソン氏は、システムの欠陥について「珍しいことではない」と述べた一方、欠陥などに関して情報共有が行われなかった理由については、「全くわからない」と述べました。その上で、「えん罪に加担してしまったことを申し訳なく思っている」と改めて謝罪しました。
富士通側は、事件に関する調査が終わるまで、イギリス政府関連の入札への参加を取りやめる意向を示していて、「補償への貢献も含めて、イギリス政府とともに適切な対応に取り組む」としています。