アメリカンフットボールのプロリーグ（＝NFL）のクオーターバックで「史上最高の選手」とも称されるトム・ブレイディ選手が現役を引退すると発表しました。

■全米メディアが速報

「史上最高のNFL選手引退」―NFLのバッカニアーズに所属するトム・ブレイディ選手は1日、自身のSNSで現役引退を発表し、22シーズンにわたる輝かしい選手生活に幕を下ろした。

44歳のブレイディ選手は、スーパーボウルを史上最多の7回制覇し、「史上最高の選手」とも称されている。引退の発表は、全米のメディアが一斉に速報で報じるなど、スポーツ大国アメリカにおけるNFL人気の高さがうかがえた。

■「フィールドでも人生でも成功への近道はない」

ブレイディ選手は、SNSに自らの写真とともに長文のメッセージを投稿。引退の理由については、「時間とエネルギーを他のことに集中させる時が来た」と説明し、チームメートやファン、家族らに感謝を述べた。

引退コメントには、長年、NFLのトッププレーヤーとして走り続けてきたブレイディ選手ならではの“成功哲学”がつづられていた。

「フットボールにはすべてをささげなければならないと確信してきた。100％の競争心がなければ成功しない。そして、成功こそが私がこのスポーツで最も愛するものだ。肉体的、精神的、感情的なチャレンジが毎日やってくる。そのおかげで自分の可能性を最大限に引き出すことができた。この22年間、ベストを尽くしてきた。フィールドでも人生でも成功への近道はない」

■ドラフト6巡目、全体199位からのキャリアスタート

「史上最高の選手」もデビュー当時から活躍を期待されていたわけではない。ブレイディ選手が、NFL選手になったのは2000年。ミシガン大学からドラフト6巡目、全体199位という下位指名でペイトリオッツに入団した。

すると2年目には、司令塔であるクオーターバックとしてレギュラーに定着。ペイトリオッツ時代には、スーパーボウルを6回制覇し、チームの黄金期を築いた。

昨シーズンは、バッカニアーズに移籍し、いきなりチームをスーパーボウル制覇に導くなど、輝かしいキャリアを積み上げてきた。今シーズンはプレーオフに進出するも敗退し、去就が注目されていた。

今後は、新たなフィールドでどのような活躍を見せてくれるのか―ブレイディ選手は、「1日1日を大切に過ごしていきたい。人々の生活を豊かにするために時間を使っていきたい」とコメントを締めくくっている。

■写真：アフロ