ポーランド大統領がミサイル着弾現場へ ゼレンスキー大統領“軍の報告を信じる”…各国から苦言も
ウクライナで続くロシア軍によるミサイル攻撃では、死者も出ています。一方、ポーランドに着弾したミサイルについて、ポーランドのドゥダ大統領が現場を視察しました。
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17日、ウクライナ東部・ドニプロとされる映像が、ゼレンスキー大統領のSNSに公開されました。道路の先でミサイルによるものとみられる爆発が起き、衝撃で街路樹の葉が舞っているのがわかります。ザポリージャ州もロシア軍のミサイル攻撃を受け、7人が死亡しました。
ウクライナ全土に攻撃が続く中、15日、隣国・ポーランドにミサイルが着弾しました。
記者
「ポーランドのドゥダ大統領らを乗せたとみられる車列が、ミサイルが着弾した村へと到着しました」
ウクライナとの国境から、わずか6キロの場所にある人口500人ほどの小さな村プシェヴォドヴォでは、警察や軍による捜査が行われています。こうした中、ポーランドのドゥダ大統領自ら現場を訪れ、辺りは物々しい雰囲気に包まれました。
住民
「5メートルくらいの間隔に、連続でミサイルが落ちました」
「みんなショックを受けています。誰もこんなことを想像していませんでした」
このミサイルについて、ポーランド当局は「ウクライナ軍の防空ミサイルが誤って落下した可能性が高い」との見方を示しました。
ポーランド国家安全保障局長
「全ての証拠と資料は、ウクライナ側から発射されたミサイルだということを示しています」
アメリカのCNNも「ウクライナ軍がアメリカ政府に対し、現場近くでロシアのミサイルを迎撃しようとしたことを認めた」と報じています。
ところが、ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、軍の報告を信じるとした上で、「ウクライナのミサイルではない」と強調しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ウクライナのミサイルではないことに疑いはありません。私は(軍の報告を)疑いません。我々はともに戦ってきたのです」
さらに、17日に公開した最新の声明では、ゼレンスキー大統領は言及を避けました。
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アメリカのバイデン大統領は17日、ゼレンスキー大統領の発言について、次のように述べました。
――ゼレンスキー大統領が「ミサイルはウクライナのものではない」と言っているが?
アメリカ バイデン大統領
「それは証拠にはならない」
イギリスのフィナンシャル・タイムズによると、NATO(=北大西洋条約機構)加盟国の外交官も「ウクライナは我々の信頼を破壊しようとしている」と懸念を示したといいます。
各国から苦言が相次ぐ中、当事者であるポーランドのドゥダ大統領は、「軍の報告を信じる」としたゼレンスキー大統領の心中に配慮をにじませました。
ポーランド ドゥダ大統領
「ゼレンスキー大統領も今、ウクライナ軍から情報を集めていると思いますが、ゼレンスキー大統領にも感情はあります。ウクライナの全てに、彼は責任を持とうとしているんです」
18日も現地で捜査が続く中、ウクライナ側は合同の捜査チームを立ち上げたいとしていて、ポーランド側も許可する見通しだということです。