「韓国が消えていく!」 将来の人口が4分の1に減少か…出生率“過去最低” 背景に「高額な住宅価格」や若者の意識の変化
■将来、人口が4分の1に? 韓国で出生率“過去最低”記録
有働由美子キャスター
「韓国の23日朝の新聞には、『韓国が消えていく』『国家消滅の危機』という見出しが踊りました。これは、出生率が“過去最低”を記録したことを伝えた記事です。首都ソウルの合計特殊出生率を見てみると『0.59』。これは、1人の女性が一生の間に産む子どもの数です。例えば『出生率2』だと、1組の男女がいて、女性が子どもを2人産む。いろいろな条件を考慮しない場合、人数は2人から2人なので人口はキープされます。『出生率1』だと人口は半減していく。今回、ソウルは『0.59』ですので、このまま何もしないと将来、人口が4分の1ほどになるかもしれないという数字です。かなりの数字ですね小栗さん」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「そうですよね。韓国全体で見ても合計特殊出生率は『0.78』。これはOECD(=経済協力開発機構)の平均『1.59』、それよりも低い日本の『1.3』と比べてもかなり低いということがわかります」
■マンション価格が“年収33年分” 若者の意識に変化も
小栗解説委員
「では、どうしてここまで下がってしまったのか。まず、『お金に余裕がない』。今、韓国では住宅価格が高いといいます。ソウルでマンションを買おうと思ったら、日本円で平均1億2000万円が必要で、これは単純計算で平均年収の“33年分”にあたります」
有働キャスター
「ローンじゃなくて“年収”の33年分なんですか!?」
小栗解説委員
「33年分なんです… また、超学歴社会といわれる韓国では、学校以外でかかる塾などの教育費も増え続けていて、日本円で月に約5万円かかるといいます」
有働キャスター
「日本でもお金に余裕がないということで、結婚・出産をためらう人もいますよね…」
小栗解説委員
「そうですね。加えて、『若者の意識の面』もあるといいます。就学期間が長くなるにつれて、経済的にも精神的にも自立する時期が遅れているそうです。『自分は大人だ』と思う人は、28歳でようやく50%を超えるといいます。また、都市部では特に、『個人の幸せを重視』して、結婚を望まない、子どもを作らないという選択をする若者も多いと伝えるメディアもあります」
有働キャスター
「廣瀬さんはこれどう思われますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「まず、若者の意識が結構変わってきていることにビックリしました。お金の面でいうと、自分も子どもの習い事とか塾に(お金が)結構かかるなぁという印象を受けていて、あと送り迎えといった時間的な負担もあるので、例えば、退職した人と一緒になって、地域全体で子どもたちを支えていくっていうことができると、お金とか心の負担は減っていく気はしました」
有働キャスター
「日本でも、理想の子どもの数を夫婦に聞くと『2.25人』ですが、実際は1人っ子の割合がむしろ増えています。『異次元の対策』というなら、これなら産める・育てられると思ってもらえる効果的な対策、具体的に期限を決めてお願いします」
(2月23日放送『news zero』より)