一番ほしい「異次元の少子化対策」は――SNSで投票“王座決定戦” 政府案どうなる…「選択的夫婦別姓」も異次元に?
岸田政権が「異次元の少子化政策」を掲げる中、本当の「異次元」とは何なのか? それを決めるため、民間団体が「王座決定戦」としてSNSで投票を呼びかけています。決勝に進んだのは、2つとも経済的な支援策です。政府案にはどんなものがあるのでしょうか。
有働由美子キャスター
「民間団体『みらい子育て全国ネットワーク』がツイッター上で、『異次元の子育て政策 王座決定戦』を行っています。やってほしい政策を広く募り、予選を勝ち抜いた8つのトーナメントで競わせます。優勝、つまり一番やってほしい政策を決めるというものです」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「2つの対決を見ていきます。まず『子育て支援制度の全ての所得制限を撤廃』か、『1人産んだら1000万円給付』か、どちらが良いか。約2000人が投票し、勝ったのは『全ての所得制限撤廃』でした」
有働キャスター
「『1000万円』もかなりのインパクトがありますが…」
小野委員
「その理由として、『1000万円もらっても子どものために使うとは限らないので、直接支援がいく形にしてほしい』と言う人もいました」
小野委員
「次に『子どもに関する専門職員の待遇改善』か『子育て家庭の残業・転勤の原則免除』かの対決です。大差で勝ったのは『専門職員の待遇改善』でした。理由には『残業などは企業次第というところがあるので、待遇改善の方かな』といったものが挙がりました」
有働キャスター
「皆さんが待遇改善を大事に思っていることが分かります」
小野委員
「そして決勝が行われるのが、『所得制限の撤廃』と『小中高大の全員無償化』です」
有働キャスター
「経済的な支援が最後まで残ったということですね」
小野委員
「今回、『全国民に育児のインターンをすることを義務化』『子どもの数だけ投票権』などユニークなアイデアが寄せられました」
「この投票を呼びかけた、みらい子育て全国ネットワーク代表の天野妙さんは20日の政府の会議にも呼ばれました。『日本は子育ての責任を各家庭だけに押し付けている。社会全体で子どもの育ちを支えるべきです』と訴えています」
小野委員
「政府は『異次元の少子化対策』として、児童手当の所得制限の撤廃や、2人目や3人目に増える児童手当の多子加算を考えています」
「ただ、これだけだと異次元と呼ぶには弱いのではないかということで、『異次元の少子化対策として選択的夫婦別姓はどうか』と話す政府関係者もいます」
有働キャスター
「選択的夫婦別姓が異次元ですか? 異次元というほどではないのでは…」
小野委員
「(現状の)日本だとそうなります。名字を変えることに抵抗がある女性に配慮して、子どもを持ちやすい環境づくりをすることが異次元になるとの考えです」
「岸田首相自身は、選択的夫婦別姓については『一度も反対と言ったことはない』と述べています。ただ、自民党の保守層の根強い反対もあって、進めることには慎重です」
有働キャスター
「(王座決定戦で出てきたような)声を取り入れるのが大切なのはもちろんですが、何か1つの特効薬はないと言われています」
「予算の投入や社会のあり方を変える取り組みなど、やれることからやる、せめてスピードだけは異次元で進めてほしいです。(少子化対策は)待ったなしです」
(2月20日『news zero』より)