首相「学び直し」に批判集中......育休中の 30 代「2~4 時間の仮眠しか」「勉強の時間あるなら寝たい」 スキルアップにニーズも
学び直し(リスキリング)について、岸田首相が「育児中でも後押しする」と答弁したこ
とに批判が集中しました。『zero』にも切実な思いが書かれたメールが寄せられています。
育児中のスキルアップに関して、政府はニーズに応じて支援する考えです。
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■番組へメール「生きることで精一杯」
有働由美子キャスター
「育休中の 30 代の方から『zero』に届いたメールがあります。『24 時間、子どものお世話でまとまって寝る時間もありません』と綴られています」
「さらに『毎日 2~4 時間ごとの仮眠しかできず、夫と協力、祖父母にも支援してもらっていますが、生きることで精一杯です。勉強している時間があるなら寝たいし、ほっと一息のコーヒーを飲みたいです』とありました」
■「産休・育休中」がトレンド入り
有働キャスター
「この切実な思いは、岸田首相に向けられています。育児休業中に資格を取るなどの学び直し(リスキリング)について問われた岸田首相が『育児中でも後押しする』と 27 日に答弁したことに、『育休中に学び直しなんかできない』と批判が集中しました」
「ツイッターのトレンドランキングでも『産休・育休中』が 28 日に 2 位となり、皆さん思うところが多いということだと思います」
■街で聞いた「育休中のリスキリング」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「育休中に特につら いと 感じたことについて 尋ね たアンケート(育休 コミ ュニティ『MIRAIS』2020 年調査)があります。1 位は『睡眠不足』(54.3%)、2 位は『突然消える 1 人時間』(52%)、3 位は『社会からの疎外感』(43%)でした」
「育休の期間中のリスキリングについてどう思うか、街で聞いてみました」
育休中の会社員(20 代)
「もうちょっと上を目指した資格を取りたいなと。子供が寝てからの時間しか多分作れないので、体力的に大変」
育休中の会社員(30 代)
「産休に入る前は、この資格取ろうとか、あの資格を取ろうみたいな感じで計画していて、産んでみて『これは無理やな』と」
■首相が再説明「本人が希望する際に」
小野委員
「岸田首相は育休中のリスキリングを推奨しているのかと受け取った人もいて、批判が集まりました。そして 30 日、『ライフステージのあらゆる場面で本人が希望する際にはリスキリングに取り組める環境整備をしていくという趣旨で申し上げた』と説明し直しました」
「首相周辺も『育休中を強調する意図はなかった。言葉足らずだった』と話しています。『仕事から離れることでキャリアに不安を感じるか』と尋ねた、子ねくとラボの実態調査(2021 年 7 月、110 人対象)によると、不安を感じると答えた人が 8 割近くに上りました」
「育児中でもスキルアップしたいと考える人はいます。そうしたニーズに政府として取り組む考えを示しました」
有働キャスター
「首相周辺にしっかりと育休を取った人がいたら、こういう誤解を招くような言い回しにならなかったのではとも思いました。『異次元の少子化対策』と掲げるなら、当事者の声を聞き、みんながありがたいと思える制度、社会で協力できる仕組みを作ってほしいです」
(1 月 30 日『news zero』より)