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“呼び出し電話”で「即時退勤」会議も欠席 育児などの不安を解消「なりきり研修」とは

2022年5月28日 1:11
“呼び出し電話”で「即時退勤」会議も欠席 育児などの不安を解消「なりきり研修」とは

「将来、育児や介護をすることで仕事に影響が出てしまうのではないか…」との不安を解消するために、ある企業が「なりきり研修」をはじめました。実際に研修を受ける人を取材しました。

    ◇

大手飲料メーカー・キリンビールにつとめる独身の大谷哲司さん(45)がデスクワークをしていると、1本の電話が入ってきました。

「発熱した子供のお迎えに来てほしい」という保育園からの電話ですが、大谷さんには、子供はいません。

“呼び出し電話”をかけたのは、同じ会社の人事総務部の社員です。

これは、社内で実施されている「なりきり研修」というものです。「育児」、「親の介護」、「パートナーの病気」のシチュエーションから1つを選択し、「必ず定時で帰宅」、「呼び出し電話で即時退勤」などのルールもあります。

育児の「なりきり研修」を受ける大谷さんは、この後、打ち合わせが入っていましたが、同僚に会議を引き継ぎます。

大谷哲司さん(45)
「一緒に出ているメンバーに任せて帰ります」

同僚
「あとで大谷さんに報告します」

大谷哲司さん(45)
「お願いします」

退勤した後は、仕事はできません。スキルアップや自己啓発にあてることができ、この日、大谷さんは同級生に仕事のアドバイスを求めに行きました。

厚生労働省によると、男性の育休取得率は約12.7%(2020年度)にとどまっています。この会社では、研修の効果などもあり、2021年度には約50%の人が取得しているといいます。

「なりきり研修」を担当 人事総務部担当者
「元々、制約のある状態でも働けるか、予行練習になったらいいなと。働き方の見直しに寄与できればと思っています」

去年、結婚したという女性社員も将来、仕事をしながらの子育てに“不安”を感じていたといいますが…

去年「なりきり研修」を体験
「メリハリをつけて、『この時間は働く』、『この時間は育児をする』というのを考えるようになりました」

大谷さんにも変化があったといいます。

大谷哲司さん(45)
「自分の人生が大事なんだなと、その中に仕事があるのかと。人生と仕事の考え方が変わってきた」

(5月27日放送『news zero』より)

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