ロシア外務省が、入国を禁止する日本人63人のリストを公表しました。政治家のほか、意外な名前も入っていました。リストはどのような基準で作成されたのでしょうか？ 専門家は「リアルな実態を伝える人が少なくなる」と懸念も示しています。
■高市氏「上等やないかいっ」つぶやき
有働由美子キャスター
「ロシア外務省は、日本の制裁に対する報復として、ロシアへの入国を禁止する日本人の名簿を公表しました。なぜこの63人だったのでしょうか？」
「岸田首相をはじめ外務大臣などの閣僚、自民党の高市早苗政調会長の名前もあります。他の自民党三役は入っていません」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「三役では高市さんだけです。高市さんは自身のツイッターで『上等やないかいっ。招かれても行かんわい！』と反応していました」
有働キャスター
「与野党の国会議員の名前が続き、今井絵理子議員もいます」
小栗委員
「今井さんは参議院の沖縄および北方問題に関する特別委員会の理事です。この委員会は、衆議院も参議院も、委員長と理事は全員リストに名前がありました」
■政治家以外も…二宮さん「驚いた」
有働キャスター
「政治家以外もリストに入っていて、メディア関係者や新聞社のトップ、週刊誌の編集長の名前もあります。スポーツジャーナリストの二宮清純さんは、かなり意外です」
小栗委員
「二宮さんは『リスト入りには驚いたが、リスト入りしていない人もロシア寄りとみなされ気の毒だ』と話していました」
有働キャスター
「確かに二宮さんは、オリンピックのドーピング疑惑で、ロシアにとって耳の痛い指摘をしていました」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン（「news zero」パートナー）
「僕もびっくりして二宮さんに連絡しましたが、本人は『真っ当なことをやってきただけ』」と、あまり気にされていないようでした。ロシア側にも何らかの基準があるのでしょうが、分かりにくいなと思いましたね」
■中村教授、リスト入り「数合わせ」？
有働キャスター
「そうですよね。リストを最後まで見ていくと、筑波学院大学のロシア情勢に詳しい中村逸郎教授の名前もあります。選考基準はどうなのでしょうか？」
小栗委員
「中村さんは『本当のことを言い過ぎたのかな…』としながらも、このリストについて『政治家何名、雑誌何名と、枠を設定してから名前を挙げていったのでは。私が一番最後でしたが、数合わせだと思います』と話していました」
■東野教授「雑に選んでいる印象」
小栗委員
「ロシアと欧米の関係を研究している筑波大学の東野篤子教授は今回リストに名前はありませんでしたが、『10年前20年前のイメージに基づいて雑に選んでいる印象がある。いい加減なリストだ』と指摘しています」
「ただ東野教授は『笑ってばかりもいられない。アンチロシアと見なされてロシアに入れなくなれば、リアルな実態を伝える人が少なくなっていく。それは日本にとってもロシアにとっても得にならない』と懸念していました」
有働キャスター
「このリストの中には、（ウクライナでの）戦争が始まるまではロシアを理解しようとしていた人たちも入っています。誰にとって得なリストなのか、と思ってしまいます」
（5月5日『news zero』より）
