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“返信なければクビ”投稿で広がる混乱 マスク氏影響か?ワシントンで“異変”住宅価格も下落

2025年2月26日 1:44
“返信なければクビ”投稿で広がる混乱 マスク氏影響か?ワシントンで“異変”住宅価格も下落

「先週、何をしましたか」。これは、アメリカのイーロン・マスク氏が連邦政府で働く200万人以上に先週、送った成果報告を求めるメールです。マスク氏は“返信しなければクビ”だとSNSで繰り返し投稿していて混乱が広がっています。

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波紋が広がっているのは、イーロン・マスク氏が連邦政府職員に送った“1通のメール”。

「先週、何をしましたか?」

もちろんこれ、ただの挨拶メールではなく…。

「このメールに返信してください。先週達成したことを5箇条程度にまとめ、上司に連絡してください」

返信は、“マスト”でした。

「先週、何をしましたか?」と題した、今月22日に200万人を超える連邦政府職員に送られたメール。先週の仕事で達成したこと5つを箇条書きにし、24日までに返信するよう求め、もし返信しなければ辞職とみなすというのです。

マスク氏を「政府効率化省」のトップに起用したトランプ大統領は…

アメリカ トランプ大統領
「すごく天才的だ。人々が本当に働いているのか確かめようとしているのだ」

イーロン・マスク氏を「素晴らしい」と称賛。一方、実際にメールを受け取った職員は…

連邦政府の職員
「嫌になります。このメールを誰が読んで、自分が仕事をしたことを誰が評価するのでしょうか?」

どう返信すべきか、頭を悩ませていました。

職員を抱える国務省やFBIなどは、マスク氏の命令に従わないよう職員に指示。また、連邦政府の人事管理局は、「メールの返信義務はなく、返信しなくても辞職とはみなされない」としています。

それでも、改めてSNSに投稿したマスク氏は…

イーロン・マスク氏(SNSの投稿、24日)
「大統領の裁量により、もう一度チャンスを与える。2度目に回答しない場合は解雇されることになる」

トランプ大統領の側近として推し進める職員の大幅削減を、加速させる構えを見せています。

トランプ大統領の返り咲きを後押ししたマスク氏。トランプ氏肝いりの「政府効率化省」のトップに就任すると、バイデン政権のもとで進められた約4億2000万ドルの政府の契約をキャンセルしたほか、環境問題や人道支援に取り組んできた“政府機関などの閉鎖”にも着手。

今月11日にトランプ大統領が、連邦政府機関に対し、マスク氏に協力するよう命じる大統領令に署名した際には、息子を連れてホワイトハウスの執務室に現れ、トランプ大統領の隣で肩車をする様子も。

保守系のイベントに登壇したときには…

イーロン・マスク氏
「これは官僚機構をぶった切るチェーンソーだ!」

チェーンソーを振りかざし、コストカッターぶりをアピール。この1か月、政府支出の削減や人員削減を進めてきたのです。

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マスク氏の影響か、首都ワシントンには変化が。

アメリカ政治に詳しい 明海大学・小谷哲男教授
「政府職員が多くワシントンDCに住んでいます。その人たちが失業してローンを払えない、家賃を払えない。そしてワシントンから離れていく」

マスク氏の“人員削減”やトランプ大統領への反発などから、連邦職員230万人のうち約7万5000人が早期退職したといいます。

アメリカの不動産会社によると、こうしたことからこの1か月で、ワシントンと近郊の住宅約4000軒が売りに出されたといいます。また民間の調査によると、ワシントンの先月の住宅価格は昨年の同じ月と比較して1割程度下落したということです。

今後もこうした動きが続くと専門家は指摘します。

アメリカ政治に詳しい 明海大学・小谷哲男教授
「(Q.マスク氏vs官僚、今後は?)この先トランプ大統領としては、2万人3万人整理するとも言っている。ますます政府から辞めていく人たちが増えていく。政府の仕事は非営利業務なので、マスク氏の営利組織の観点のリストラは本来相いれない。当然、政府職員の間にはマスク氏・トランプ氏に対する不満はこの先、強まっていく」

(2月25日放送『news zero』より)

最終更新日:2025年2月26日 1:44