“返信なければクビ”投稿で広がる混乱 マスク氏影響か?ワシントンで“異変”住宅価格も下落
「先週、何をしましたか」。これは、アメリカのイーロン・マスク氏が連邦政府で働く200万人以上に先週、送った成果報告を求めるメールです。マスク氏は“返信しなければクビ”だとSNSで繰り返し投稿していて混乱が広がっています。
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波紋が広がっているのは、イーロン・マスク氏が連邦政府職員に送った“1通のメール”。
「先週、何をしましたか?」
もちろんこれ、ただの挨拶メールではなく…。
「このメールに返信してください。先週達成したことを5箇条程度にまとめ、上司に連絡してください」
返信は、“マスト”でした。
「先週、何をしましたか?」と題した、今月22日に200万人を超える連邦政府職員に送られたメール。先週の仕事で達成したこと5つを箇条書きにし、24日までに返信するよう求め、もし返信しなければ辞職とみなすというのです。
マスク氏を「政府効率化省」のトップに起用したトランプ大統領は…
アメリカ トランプ大統領
「すごく天才的だ。人々が本当に働いているのか確かめようとしているのだ」
イーロン・マスク氏を「素晴らしい」と称賛。一方、実際にメールを受け取った職員は…
連邦政府の職員
「嫌になります。このメールを誰が読んで、自分が仕事をしたことを誰が評価するのでしょうか?」
どう返信すべきか、頭を悩ませていました。
職員を抱える国務省やFBIなどは、マスク氏の命令に従わないよう職員に指示。また、連邦政府の人事管理局は、「メールの返信義務はなく、返信しなくても辞職とはみなされない」としています。
それでも、改めてSNSに投稿したマスク氏は…
イーロン・マスク氏(SNSの投稿、24日)
「大統領の裁量により、もう一度チャンスを与える。2度目に回答しない場合は解雇されることになる」
トランプ大統領の側近として推し進める職員の大幅削減を、加速させる構えを見せています。
トランプ大統領の返り咲きを後押ししたマスク氏。トランプ氏肝いりの「政府効率化省」のトップに就任すると、バイデン政権のもとで進められた約4億2000万ドルの政府の契約をキャンセルしたほか、環境問題や人道支援に取り組んできた“政府機関などの閉鎖”にも着手。
今月11日にトランプ大統領が、連邦政府機関に対し、マスク氏に協力するよう命じる大統領令に署名した際には、息子を連れてホワイトハウスの執務室に現れ、トランプ大統領の隣で肩車をする様子も。