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ガザ地区最大の病院に攻撃 死者1万人超「地獄のよう…」難民支援機関の日本人が語る状況

2023年11月11日 7:15

数千人の避難民がいるとされるガザ地区最大の病院が、攻撃を受けました。死者が1万人を超える中、難民を支援する国連機関の日本人が、明かしたことは…。

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10日、攻撃があったのは日が昇る前。突然の出来事に、ガザ市のシファ病院の敷地内で寝ていた人たちが、飛び起きます。別の映像には、建物から炎があがっている様子が。

シファ病院に避難していた人
「急にロケットが落ちてきたんです。けがをしていた家族が死にました」

けが人以外にも数千人の避難民がいるとされる、病院への攻撃。

イスラエル軍は、すでにガザ市の中心部への進軍を発表しています。シファ病院の地下には「イスラム組織ハマスの司令部がある」と主張していて、標的の1つにしているとみられています。

終わらないイスラエル軍とハマスの戦闘。ガザ地区保健当局によると、ガザ地区ではこれまでにあわせて1万1000人以上が亡くなっています。

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『news zero』は、現地で難民支援を行う団体に話を聞きました。

国連パレスチナ難民救済事業機関 清田明宏保健局長
「職員でなくなった方が99人になりました。みなさんだいたい家に帰って家族といて、そこで空爆があって亡くなるという例がほとんど」

わずか1か月ほどで職員が99人も亡くなってしまったのは、過去の紛争と比べても最多だといいます。

清田明宏保健局長
「(ガザ地区の状況は)地獄のようだと思います。水が足りなく、食料も足りなく、燃料も足りない。医薬品も足りない。そして空爆はまだ続いている。本当に厳しい状況」

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こうした中、ガザ地区で新たに2つの動きがありました。

1つは、戦闘の休止です。アメリカのホワイトハウスは「支援物資の搬入や住民が安全に避難できるようイスラエル軍がガザ地区北部で1日4時間、戦闘を休止する」と発表したのです。あわせて、新たに人道回廊を開設したということです。

安全を確保した上で、住民を避難させるいわゆる「人道回廊」。イスラエル軍はガザ地区に、2つ開設したといいます。

1日4時間の戦闘休止について、清田さんは…

清田明宏保健局長
「物資の搬入をすると4時間は短すぎますね。(別の紛争では)2~3日間停戦があって、その時期に大量に物資をいれたという記憶がある。もうすこし長い時間で停戦をやっていただいたほうがありがたい」

イスラエル側は、今回の戦闘休止について、まだ詳細を明らかにしていません。

(『news zero』より)