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停戦実現の可能性は…戦闘が続くガザ地区境界近くの町から中継

2023年11月12日 18:46

イスラエル軍による攻撃が続く、パレスチナ自治区ガザ地区との境界から近い町、イスラエルのスデロットから伝えます。

ガザ地区との境界から2キロほど離れたスデロットに来ています。後ろに見えるのがガザの街並みですが、今もイスラエル軍による攻撃が行われ、数分おきぐらいの間隔で大きな爆発音が聞こえ、煙が上がっているのも確認できます。見えているガザ地区北部では、イスラエル軍がハマスの司令部があると主張するシファ病院に向けて現在、部隊を進めています。

こうした中、AP通信によりますと、ネタニヤフ首相は11日、「ハマスは実質的にガザ地区北部の支配を失った」と述べた上で、人質の解放なしでの停戦を改めて否定しました。また、「イスラエル軍が必要な限り、ガザ地区の安全保障を管理する」とも述べ、ハマスとの戦闘が終結した後も軍をいつでも投入できるようにする考えを示しています。

──ガザ地区での民間人被害に国際社会の懸念が高まり、停戦を求める声も強くなっていますが、イスラエルが応じる可能性はあるのでしょうか?

イスラエル国内の最新の世論調査では、民間人の犠牲が連日、伝えられる中でも、「無条件で停戦すべきだ」と答えた人の割合は、わずか3%にとどまっています。イスラエルでは、ネタニヤフ首相を含め、いまは停戦をする段階ではないと考えている人が多く、停戦がすぐに実現する可能性は低いとみられています。

ネタニヤフ首相はハマスの奇襲を防ぐことができず、求心力が低下しているとも言われる中、世論を追い風にして、ハマスへの攻撃を続け、人質解放への圧力を強めていくとみられます。