イスラエルがガザ地区北部で1日4時間の戦闘休止へ 米ホワイトハウスが発表
アメリカのホワイトハウスは9日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区北部で1日4時間の戦闘休止を行うことを発表しました。
イスラエル軍は9日、ガザ市のすぐ北にあるジャバリア難民キャンプにあったイスラム組織ハマスの拠点を、10時間に及ぶ戦闘で新たに制圧したと発表しました。
一方、ハマス側は人質となっていたイスラエル兵1人が空爆で死亡したと明らかにしました。また、ハマスと共闘する過激派組織「イスラム聖戦」は、人質に取っているとする高齢女性と少年2人の映像を公開し、解放する用意があるとしました。人質をめぐる交渉を有利に進めるために公開した可能性があります。
こうした中、アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は9日、イスラエルがガザ地区北部で人道目的のため、1日4時間の戦闘休止を行うことを発表しました。9日から開始され、支援物資の搬入や民間人の退避、人質の解放につなげる狙いがあります。
フランス・パリでは人道支援について協議する国際会議が開かれ、国連機関のトップはガザ地区の現状について「集団的懲罰だ」と強く非難しました。
国連パレスチナ難民救済事業機関 ラザリーニ事務局長
「100万人もの人々を家から追い出し、適切なインフラのない地域に集中させることは強制移住だ。食料・水・医薬品を厳しく制限することは集団的懲罰だ」
一方、イスラエル軍は9日、エジプトとの境界にある検問所で、支援物資を積んだトラックを公開しました。
イスラエル軍の担当者は、「支援物資はほぼ毎日ガザ地区に搬入されていて人道危機は起きていない」と主張しています。ただ、国連側は、物資が不足していると強く訴えていて、イスラエル軍はこうした様子を公開することで、搬入を妨害していないとアピールする狙いもあるとみられます。