北朝鮮、監視用“新型ドローン”か――初公開のワケ 米軍無人機のマネ? 専門家「脅威高まる」「米国に一番アピールしたい」
北朝鮮が、新型ドローンとみられる兵器を映像で初公開しました。アメリカ軍の「グローバルホーク」に似た外観で、より高精度のセンサーを搭載可能とみられ、投入されればより実戦的な攻撃が可能になりそうです。アピールの狙いや、もたらされる脅威とは?
有働由美子キャスター
「27日夜、北朝鮮が大規模な軍事パレードを始めたと、韓国メディアが伝えました。それに先立って、朝鮮中央テレビで映像が公開されました」
「(その映像で)特に注目されるのがドローンとみられる機体です。北朝鮮の金正恩総書記が、『戦勝記念日』に合わせて訪問しているロシアのショイグ国防相と一緒に視察しました。その機体を見ると、『朝鮮人民軍空軍』という文字や北朝鮮の国旗が確認できます」
「これはどのようなものなのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「韓国メディアは、初めて公開された新型ドローンだと伝えています。軍事に詳しい笹川平和財団の上席研究員・小原凡司さんは、監視用のドローンだとみています」
小栗委員
「アメリカ軍の(無人偵察機)『グローバルホーク』に大変似ていて、それを真似して設計していると小原さんは指摘しています」
「形を見ると、前方が大きく膨らんでいて、エンジンも大きくなっています。仮に同じ性能を持っていると、より高精度のセンサーを搭載できる上、高い高度を飛行できるため、広い範囲を監視できるということです」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「日本としても世界としても、これがどういった脅威になっていくのか気になりましたね」
小栗委員
「北朝鮮には洋上監視能力が今までありませんでした。この弱い部分を補うために開発されたものだといいます。北朝鮮はミサイル開発を進めていますが、この新型ドローンが使えれば、どこに対艦ミサイルを撃つか(分かる)など、より実戦的になると言えそうです」
「小原さんは『艦船の居場所などの情報をつかむことができるのだ、ということを世界にアピールしたいのだろう。脅威は高まっている』と指摘します」
有働キャスター
「日本の近くを飛んで日本を監視するのでは、と心配になります」
小栗委員
「小原さんは『もちろん日本は無視できないが、北朝鮮が一番アピールしたい国はアメリカだ。北朝鮮の軍事技術が上がっていけば、アメリカも日本も無視できない』と話していました」
有働キャスター
「北朝鮮は27日を、朝鮮戦争の休戦70年の『戦勝記念日』と位置づけています。28日以降、どんな形でアピールするのか、今回のドローンは(軍事パレードなどで)登場するのか。注目したいと思います」
(7月27日『news zero』より)