羽生結弦さん“聖地”に熱視線…北京五輪から半年 習主席“施設の有効活用”に胸を張るも…巨額投資の高速鉄道は閑古鳥
北京オリンピックから半年。フィギュアスケート・羽生結弦さんの競技生活最後の舞台となった施設が一般開放され、人気を集めています。中国の習近平国家主席はオリンピック施設の有効活用に胸を張りますが、巨額の投資が行われた高速鉄道は閑古鳥が…。今後、“オリンピックのレガシー”は、どうなるのか。現地を取材しました。
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11日、私たちは北京の中心部へ向かいました。
森葉月記者
「あの建物ですね。見えてきました。『ビンドゥンドゥン』のアンテナショップです。まだ営業を続けているみたいですね」
半年前の今年2月、この店には長蛇の列ができていました。飛ぶように売れていた北京オリンピックのマスコット「ビンドゥンドゥン」、今も人気は健在です。
アンテナショップの客
「広東省から来た。この前は買えなかったので」
一時、争奪戦になった旧正月バージョンのぬいぐるみや、クッションも入荷されるなか、人気商品は――全部で7種類あり、開けるまで何が出るのかわからないブラインドボックスです。
店員
「このビンドゥンドゥン・ブラインドボックスは、非常にお客様に人気があります」
なかでも、赤色と紫色をしたビンドゥンドゥンは、120分の1の確率で出るという特別版、“レアドゥンドゥン”なのです。
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今も人気の場所は、他にも…。スピードスケートの競技が行われた会場「アイスリボン」です。こうした競技会場が今、次々と一般開放されているのです。
アイスリボン来場者
「世界最高の氷の上で滑れるのは、とてもうれしい」
大人料金は、日本円で約2400円です。オリンピックの舞台を体験したい市民にとって、表彰台にのぼれるチャンスです。
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また、フィギュアスケートの羽生結弦さんが競技生活最後となった舞台・首都体育館も、7月から一般開放されました。
そこで、ある楽しみ方も…。熱狂的なファンたちが同じ“羽生ポーズ”で写真を撮って、SNSに「羽生選手と同じ場所に立ててうれしい」と投稿するなど、盛り上がりを見せています。
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中国では、開催跡地の集客に力を入れています。その背景には――
中国 習近平国家主席
「(開催地は)人々が豊かになる金山銀山になった」
習近平国家主席も、「オリンピック施設の有効活用」に胸を張ります。
オリンピックを盛り上げるため、3000億円以上をかけて巨大なスキーリゾートが造られました。政府は、このリゾートと北京を結ぶ高速鉄道を新たに建設し、その費用は1兆円にのぼりました。
しかし、利用客が少なく、オリンピックの後には大幅に減便されました。1日わずか1往復になったこともあるといいます。
今後、巨額の費用を投じた“オリンピックのレガシー”は有効活用されるのでしょうか。