米ペロシ氏の訪台に中国が即時抗議 軍が実弾演習へ 一方、米は…台湾政策変えておらず「軍事活動強化の口実にならない」
アメリカのペロシ下院議長が2日夜、台湾に到着しました。中国政府が直ちに抗議声明を発表したほか、中国軍も台湾周辺の6つの海域で実弾演習を行うと発表するなど圧力を強めています。
アメリカのペロシ下院議長ら議員団は、日本時間の2日午後11時半すぎ、台北市内の空港に到着しました。
アメリカの現職の下院議長としては25年ぶりの台湾訪問で、ペロシ氏は声明で「台湾の活力ある民主主義を支援するという、アメリカの揺るぎない関与を示すものだ」と意義を強調しました。
空港のまわりに多くの人が駆けつける中、ペロシ氏はホテルへと向かいました。3日は、蔡英文総統と会談する予定です。
一方、中国外務省はペロシ氏の到着と同時に抗議声明を発表したほか、国営テレビは中国軍が一斉に活動を始めたとする映像を配信しました。
また、新華社通信によりますと、中国軍は4日から7日まで実弾を使った「重要軍事演習」を行うと発表。演習区域は台湾を取り囲むように6か所設定され、期間中は船舶や航空機の通行を禁じるとしています。
一方、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は、アメリカとして台湾政策は変えておらず、中国側が「軍事活動を強化する口実にはならない」とクギを刺しました。
カービー調整官「中国政府がこの訪問を危機に変えたり、台湾海峡や周辺での軍事活動強化の口実にする理由は何もない」
カービー調整官は、「今回の訪問はペロシ氏の判断だ」としつつ、「ペロシ氏には、台湾を訪問する権利がある」と強調しました。