バイデン大統領が原爆資料館訪問 約40分滞在…岸田首相と“温度差”も 米政府高官「大統領が考えていることは過去ではなく未来だ」
アメリカのバイデン大統領が原爆資料館を訪問しました。原爆を投下したアメリカの現職大統領が原爆資料館を訪問するのはオバマ元大統領に続き2人目です。アメリカ政府高官は、さきほど「バイデン大統領が考えていることは未来に向けて、どう行動するかだ」と語りました。
バイデン大統領は岸田総理大臣に迎えられ原爆資料館に入りました。視察は非公開でしたが、G7の首脳らと共に岸田総理から展示内容について説明を受けるとともに被爆者・小倉桂子さんと対話を行いました。
視察を終え資料館から出てくるとバイデン大統領は岸田総理の肩に手をまわし2人で歩きながら会話をかわしていました。その後、真剣な面持ちで原爆慰霊碑の献花に向かいました。
2016年のオバマ大統領は資料館の滞在時間がおよそ10分程度でしたが今回は、およそ40分滞在しました。資料館の視察後、バイデン大統領が発言する機会はなくこれまでのところ反応は入ってきていません。
アメリカ政府高官はさきほど「バイデン大統領が考えていることは過去ではなく未来だ。謝罪は焦点ではないし、未来をどうするかだ。いかにG7首脳が、皆の将来のために、結束して行動できるかということだ」語りました。
資料館の視察ではバイデン大統領と岸田総理は常に隣どうしで歩き親密さが感じられましたが、温度差もあります。バイデン大統領は昨日の日米首脳会談ではアメリカが核兵器も含めた戦力で日本を防衛していく方針を伝え核の抑止力を強調しました。アメリカとしては核軍縮と核抑止の両立をはかるためあえて、強調した形です。
広島サミットではこの後、「核軍縮・不拡散」について協議し合意事項を「広島宣言」として採択することを目指しています。被爆地・広島から「核なき世界」に向けどれだけ実効性のあるメッセージを発信できるか注目されます。