ウクライナ反転攻勢で戦闘激化 領土奪還も…ロシアが“反撃” ダム決壊が戦線に影響も
13日、反転攻勢にでたウクライナにロシアが大規模なミサイル攻撃を行い、少なくとも6人が死亡しました。一方、6日にダムが決壊したウクライナのヘルソン州では、まだ多くの家が水没したままに。ダムの決壊は戦線にも影響を及ぼしています。
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13日、ロシアによる攻撃が新たに行われました。ゼレンスキー大統領のSNSに公開された映像では、ミサイルが着弾した住宅は炎につつまれ、原形をとどめていない車も確認できます。攻撃されたのはゼレンスキー大統領の故郷でもある、中部クリビーリーフです。少なくとも6人が死亡し、がれきの中には、まだ複数の人が閉じ込められているとみられています。
反転攻勢にでたウクライナに、大規模なミサイル攻撃を行ったのです。これに先立ち、ウクライナは、ロシアが占領していた集落を奪還していました。
11日、ドネツク州ネスクチネで兵士たちが「入植地を解放した! ウクライナに栄光あれ!」と叫ぶ様子が公開されました。反転攻勢後、初めてとなる戦果をあげたのです。
12日には、ゼレンスキー大統領が「戦いは激しいが、我々は前進している」と話す姿がSNSに公開されました。
ウクライナ軍は、12日までにドネツク州とザポリージャ州で合わせて7つの集落を奪還しました。今後、ロシアの占領地域を南下し、分断することで、クリミア半島への補給路を断つ狙いがあるとみられています。
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一方、6日にダムが決壊したウクライナのヘルソン州では、まだ多くの家が水没したままになっています。
ダムの決壊は戦線にも影響を及ぼしていて、アメリカの戦争研究所は、洪水でロシア軍の要塞(ようさい)の多くが破壊されたと分析しています。また、一部地域ではロシア軍の戦線が10キロ後退し、主要拠点からの軍の撤退も余儀なくされていると指摘しています。
現地でICC(=国際刑事裁判所)による調査が行われる中、次のような証言もでています。
避難した住民
「河口に向かって移動を始めたとき、銃撃を受けました」
住民男性によると、ロシア軍はロシアのパスポートを持つ住民しか避難させず、ウクライナ側に避難しようとする男性らに発砲したということです。
避難した住民
「ボートが人でいっぱいになると(ロシア兵が)撃ってきたんです。文明のある世界ではあり得ない行動です」
ゼレンスキー大統領は“避難中のボートが攻撃を受け3人が死亡、10人がケガをした”と述べ、ロシア側を強く非難しています。