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与正氏が韓国側批判 軍事行動の可能性示唆

2020年6月14日 1:08

北朝鮮の金正恩委員長の妹・与正氏が13日夜、韓国側を批判する新たな談話を発表し、南北共同連絡事務所の破壊や軍事行動に踏み切る可能性を示唆しました。

朝鮮中央通信によりますと、与正氏は、脱北者団体のビラをめぐる韓国側の対応を批判した上で、「連中と決別する時になった」と牽制しました。

その上で、金委員長らから与えられた権限を行使し、「関連部署に次の段階の行動を決行するよう指示した」と表明。開城にある南北共同連絡事務所について、「近く跡形もなく崩れる悲惨な光景を見ることになる」と破壊を予告しました。

さらに与正氏は、「敵対行動の行使権は軍の総参謀部に渡す」として、軍事行動に踏み切る可能性も示唆しています。

与正氏は、今月4日にも談話を発表していて、その際は、緊張緩和のための南北軍事合意の破棄や、経済協力事業である開城工業団地の完全撤去にも言及しています。

北朝鮮側としては、文在寅政権を揺さぶり譲歩を引き出すと共に、国内でくすぶる経済などへの不満をそらす狙いもあるものとみられます。