イスラエル軍…ガザ南部にも攻撃 戦闘再開後約900人死亡か 地下トンネルに海水入れる計画も?
戦闘再開から5日目、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区の「南部」へも攻撃を強めています。パレスチナ側は戦闘再開後、約900人が死亡したとしています。
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ガザ地区南部の主要都市ハンユニスでは、閃光が走り、爆発音が響き渡っていました。戦闘の再開から4日目、この日もイスラエル軍は激しい空爆を続けました。
地上でも、イスラム組織「ハマス」と激しい戦闘を展開しています。
イスラエル軍は、これまで度々、ガザ地区北部の住民に、南部へと避難するよう呼びかけてきましたが、4日、「ハマスとの戦争は新たな段階に突入した」と、ガザ地区「南部」での作戦に軸足を移したことを明らかにしました。
3日にハンユニス中心部から北に6キロの地点を撮影した衛星写真について、AP通信は、イスラエル軍の戦車や装甲車約150台が集結し、陣地を築いていると分析しています。
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そのハンユニスの病院には、多くのけが人が次々と運び込まれていました。なかには、生後2か月だという男の子も……。
「大丈夫。きっと元気になれるよ」
傍らで見守る父親は。
父親
「避難しろと言われ、北部から逃げてきたが、なぜこんな事になってしまったんだ。どうすればいいんだ…」
男の子は、ハマスとイスラエルの戦闘が始まった2日後に生まれたといいます。
父親
「こんな人生を歩んで欲しくなかった」
1日の戦闘再開以降、ガザ地区の死者は約900人(ロイター通信)にのぼるといい、10月以降では、1万5899人が死亡(ガザ地区保健当局)したといいます。
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攻勢を強めるイスラエル軍は、連日のように、ハマスが張り巡らせている地下トンネルを破壊する映像を公開しています。
このトンネルを巡り、ある計画の検討が報じられています。
“イスラエルが制圧したガザ地区北部に、巨大なポンプ数台を設置し、地中海から大量の海水をくみ上げることを検討している”と、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルが伝えました。
その目的は、大型ポンプで大量の海水を流し込み、トンネルを使用不能にすることだといいます。しかし、海水を大量に流し込めば、地下水が汚染されたり、水道インフラが損害を受けたりするおそれもあると指摘されています。
長引く戦闘で、ガザ地区では、すでにきれいな飲み水を手に入れるのが困難な状態で、実行されれば、さらなる状況の悪化が懸念されます。