イーロン・マスク氏「辞任」投票の過半数が“賛成” 反応は… ツイッター社の元研究員「他人に譲るとは思えない」
ソーシャルメディア大手ツイッター社のイーロン・マスクCEOが、ツイッター上で自らの進退について投票を呼びかけ、「辞任すべき」が過半数を超えてから丸1日以上がたちました。ツイッター社の元研究員は「買収した手綱を本気で他の誰かに譲るとは思えない」と話しました。
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ソーシャルメディア大手ツイッター社のイーロン・マスクCEOが、自らの進退をツイッター上での投票に委ねました。
イーロン・マスク氏が日本時間19日に投稿したツイート
「私はツイッターのトップを退くべきか? イエスかノーか」
実は、マスク氏は先月も、“凍結したトランプ前大統領のアカウントを復活させるかどうか”を投票で決定していました。そこで今回も、投票開始直後に「本当にそうなるかもしれないから、何を願うかは慎重に」とツイートし、投票を呼びかけていました。
しかし、開始から約12時間後に出た結果は、辞任に賛成が57.5%、反対が42.5%で、「辞任すべき」という声が過半数を占めました。
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20日、渋谷で会った大学生に、マスク氏の投票について話を聞いてみました。
「辞任すべき」に投票した大学生(20代)
「イエス(辞任すべき)のほうに投票しました。シンプルに投票で辞めさせたら面白い。誰しもが(マスク氏の進退の)決定権を持っているのが新しく、面白い」
マスク氏の改革に期待するという2人の美容師にも話を聞きました。「モデル募集」でツイッターを使うといいます。投稿しようとする文章の文字数を数えますが――
仕事でツイッター利用する美容師(21)
「…100(文字)っぽいね。100文字なんか、すぐいっちゃうよね」
「いくねー」
ツイッターには、「(全角で)1投稿140文字まで」という制限があります。
仕事でツイッター利用する美容師(21)
「イーロン・マスク氏が言っていた、『文字制限を増やす』のはいいなと思います。(現状は)足りないです。2、3個に分けるより、1個にドンって載せられたら楽だな」
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マスク氏は、投票結果には従うとしていました。ただ、結果判明後のツイッター上でのユーザーとのやりとりには、“引き続きツイッター改革に取り組む”とも、“投票をやり直す”ともとれるコメントをしていました。
【実際のやりとりの流れ】
人物Aのコメント
「アンチが複数の自動投稿アカウントを使って投票することもできる」
人物Bのコメント
「有料会員だけが投票できるようにするべきでは」
マスク氏のコメント
「いい指摘です。それツイッターに採用」
マスク氏は結果判明から1日以上たった日本時間の20日夜の時点でも、進退については沈黙したままです。
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アメリカ・ロサンゼルスで、夏ごろまでツイッター社で働いていた女性に話を聞きました。
ツイッター社の元研究員 サラ・ロバーツ准教授
「マスク氏が行う変更は、本当に独断的で気まぐれなものです」
ロバーツ准教授は、当時、ツイッター買収を目指していたマスク氏の考えに賛同できなかったため、自ら辞めたといいます。
ツイッター社の元研究員 サラ・ロバーツ准教授
「彼が440億ドルで買収した手綱を本気で他の誰かに譲るとは思えません。彼は確実に(今後も経営に)関与していくはずです」
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イギリスBBCは専門家の話として、「マスク氏は辞任に追い込まれ、暫定的なCEOを指名するだろう」と伝えています。
(12月20日放送『news zero』より)