小児病院にも攻撃か…マリウポリで甚大な被害 水・食料も不足
ロシアの軍事侵攻が続くウクライナでは、民間人の犠牲を減らす取り組みが進められていますが、ロシア軍が包囲している南東部のマリウポリでこれまでに1170人が死亡するなど、甚大な被害も明らかになっています。
マリウポリの地元当局は9日、市内の小児病院がロシア軍の攻撃を受けたとして、崩れ落ちた病棟の様子を公開しました。
マリウポリはロシア軍に包囲されていて、激しい攻撃に加え、水や食料などの不足が深刻で、マリウポリの副市長は9日、これまでに少なくとも1170人が死亡したと述べました。
ロシア軍の攻撃について、アメリカ国防総省の高官は9日、いわゆる「無誘導爆弾」を使っている兆候がみられると指摘しました。特定の標的に攻撃を加える精密誘導兵器ではないとして、実際に民間人の死傷者が増えていると強調しています。
こうした中、ウクライナでは9日、ロシアとの合意のもとで、一時的に攻撃をやめて住民を避難させる『人道回廊』の取り組みが本格的に行われました。
激戦地となっている首都キエフ近郊のイルピンや、激しい空爆を受けている北東部のスムイなどから、9日だけで少なくとも数万人が『人道回廊』を通って避難したとみられています。
『人道回廊』により、民間人の犠牲が減ることが期待される一方で、ロシア軍が今後“避難は完了した”として、さらに激しい攻撃を仕掛けるとの見方も出ています。