ヒズボラ、シリア経由の補給路絶たれる アサド政権崩壊によるものか
イスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者は14日、シリアを経由する武器などの補給路が絶たれたと明らかにしました。アサド政権崩壊によるものとみられます。
ロイター通信によりますと、イスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者、カセム師は14日、テレビ演説で、シリアを経由する武器などの補給路が絶たれたと述べました。8日にアサド政権が崩壊してから、 カセム師がシリア情勢に言及するのは初めてで、政権崩壊によるものとみられます。
イランの支援を受けているヒズボラは、武器やその他の軍事装備をイランからイラク、アサド政権下のシリアを経由してレバノンに持ち込んでいました。
しかしシリアの反政府勢力が今月6日にイラクとの国境を制圧してルートを遮断し、その2日後には首都ダマスカスを制圧していました。
カセム師は「ヒズボラはたしかに現時点でシリアを経由した軍事的な補給路を失ったが、これは抵抗活動の上で些細なことにすぎない」との認識を示しました。その上で、「シリアの新たな勢力が安定し、明確な立場を取るまでは判断はできない」としながらも、「新政権とレバノンが協力を続けられることを期待している」と述べています。
ヒズボラは2013年、シリアで政権打倒を目指す反政府勢力と戦うアサド政権を支援するため、シリアへの介入を始めましたが、先週、反政府勢力がダマスカスに近づくと、ヒズボラの戦闘員を撤退させるよう監督官を派遣していました。