アサド政権崩壊…隣国レバノンから避難民の帰還続く
シリアのアサド政権崩壊後、隣国のレバノンからは避難していた人々がシリアへ戻る動きが続いています。国境付近から伝えてもらいます。
レバノンとシリアの国境にあるマスナ検問所では、出国手続きをする建物で、人の流れが絶えることはありません。シリアに戻る家族は「兄が拘束されていたので、状況を確認しに行く」と話していました。
一方で、レバノンに入国する人もいて、話を聞こうとしたのですが、旧アサド政権側の人が迫害を逃れてきた可能性もあり、一様に口を閉ざしていたのが印象的でした。
また、ロイター通信は10日、シリアから武装集団がレバノン国境を越えたため、国境警備隊が威嚇射撃をしたと伝えるなど、混乱もみられます。
――今後の避難民の帰還は新政権の安定にかかっていると思いますが、見通しはどうでしょうか
アサド政権の後ろ盾だったイランの最高指導者ハメネイ師は11日の演説で、「アサド大統領の失脚はアメリカ、イスラエル、シリアの隣国による企ての結果だ」と反発していて、崩壊に乗じてシリアへの攻勢を強めるイスラエルにも言及しています。
シリアの新政権移行への動きは、周辺国の思惑も絡んでくるとみられ、暫定政権による円滑な統治が実現するかは不透明な状況です。