中国で東シナ海の漁解禁 尖閣領海侵入懸念
沖縄県の尖閣諸島周辺で中国公船の領海侵入が相次ぐ中、中国では16日、東シナ海での漁が解禁されます。漁船が尖閣諸島の領海に侵入しないか懸念されています。中国から槻木亮太記者が伝えます。
中国南東部・福建省の港には、数百隻の船が港を埋めつくすように並んでいました。日本時間の午前9時ごろから次々と出港し、ほぼ全ての船が沖の方へ出て行ったという状況です。
こうした中、一部の漁師は取材に対して、「尖閣諸島周辺には行くなと指示を受けた」と証言しました。
地元の漁師「昔は行けたけどいまは政府が行かせないようになった。(Q.いつから行けなくなった?)釣魚島(尖閣の中国名)は数年前からだ」
ここ数年は、日中関係に配慮した中国当局が漁船の活動を制限していて、今年も同様の通達が出たということです。
ただ、4年前には、この港から出港した漁船が中国公船とともに領海に侵入し、外交問題となりました。さらに、今年はすでに中国公船が尖閣の接続水域内を、過去最長となる111日連続で航行し、挑発をエスカレートさせています。
日本の外務省幹部は「漁船が来たら日中関係はぶち壊しだが、何をやってきてもおかしくない」と警戒を強めています。
アメリカとの対立を深める中、日中関係を重視してきた中国側の出方が注目されます。