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米国務長官、イスラエルが占領の地を訪問

2020年11月20日 6:48

アメリカのポンペオ国務長官は19日、イスラエルが占領するヨルダン川西岸の入植地とゴラン高原を、歴代国務長官として初めて訪問しました。「イスラエル寄り」のトランプ政権の政策を、既成事実化する狙いもありそうです。

ポンペオ長官「ここがイスラエルの一部であるという、これまでの大統領が拒んできたことを、トランプ大統領は認めた」

ポンペオ長官は、イスラエルがシリアから奪う形で占領したゴラン高原で、イスラエルの外相と並んで会見を開き、「自身の主権を守る権利は、イスラエルにもある」と強調しました。

これに先立ち、ポンペオ長官は、パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地にあるワイナリーも訪れました。

ポンペオ長官は、この訪問に合わせ、入植地で生産されたワインに「イスラエル産」などと表示する新たな指針も発表しています。

いずれの訪問も歴代のアメリカ国務長官として初めてで、国際社会が認めていないイスラエルの主権を承認したトランプ政権の「イスラエル寄り」の政策を、既成事実化する狙いもあるものとみられます。

一方、ポンペオ長官の訪問に対し、シリアのアサド政権は、「トランプ政権の末期に挑発的なやり方で占領地を訪れたことを最も強い言葉で非難する」としています。

パレスチナ自治政府も、イスラエル産と表示しても入植地は正当化できないとして、トランプ政権の対応を「パレスチナの領土の占領に積極的に加わっている」と非難しました。