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停戦協議進まず…“爆発音”響く中、子供や高齢者が避難

2022年3月8日 21:09

ロシア軍がウクライナに侵攻してから、まもなく2週間が経過します。各地で戦闘は激化し、民間人への被害も拡大。首都・キエフ近郊のイルピンでは、爆発音が響く中、兵士がベビーカーに乗った赤ちゃんやお年寄りを避難させていました。

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ウクライナ・キエフ近郊からロシア軍側に向かって砲撃する、ウクライナ軍の(6日の)映像が公開されました。

ウクライナ軍兵士
「私たちは子供たちを守っているのです。真実は私たちの側にある」

「子供を守るため」という理由で、砲弾が発射されていました。

ロシアがウクライナに侵攻してから、まもなく2週間が経過します。

街が破壊されたウクライナ第二の都市・ハリコフ。7日、病院にはけが人が次々と運ばれていました。

女性
「兄弟と私は、献血センターに来たところで砲撃されました。兄弟は亡くなりました」

また、首都・キエフ近郊のイルピンでは、爆発音のようなものが聞こえる中、兵士が子供を避難させていました。ベビーカーに乗った赤ちゃん、周りに支えてもらいながら歩くお年寄りまでも避難が必要なウクライナの現実。ウクライナではこれまでに、少なくとも351人の民間人が死亡、707人がケガをしているということです。

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こうした中、日本時間の8日午前0時ごろから、停戦に向けた3回目の協議が行われました。

双方の溝は深く、大きな進展はありませんでしたが、ウクライナの代表団によると、民間人の安全な避難のため設置される、いわゆる「人道回廊」については、わずかな進展があったということです。

ロシア軍が8日設定した人道回廊は、ほとんどの行き先がロシアや同盟国のベラルーシになっていました。そのため、ウクライナ副首相はSNSで、「ロシアはウクライナの民間人をロシアに行かせようとしているが、ばかげている」と批判。人道回廊での民間人の避難は、3日連続で失敗していました。

ロシア側は、日本時間の8日午後4時に、再び人道回廊を提供するとし、新たなルートを発表しました。

新しく加わったのは、ウクライナ北部・チェルニヒウからのルート。しかし、これもベラルーシ経由でロシアに避難するため、ウクライナの副首相は、「スムイからウクライナ中央に向かうルートのみ承認する」と発表しました。

一方、ロシアに向かうルートは、「合意していない」と述べています。

そして、日本時間の午後5時半ごろ、ウクライナメディアは「避難が始まった」と報じました。

3回目の停戦協議後、ゼレンスキー大統領はSNSで、「3回目で最後といいたいところですが、我々は現実主義者です。平和を達成する方法を見つけるまで交渉をするつもりです」と発信しました。

停戦協議が平行線をたどる中、トルコが仲介するかたちで、10日にウクライナとロシアの外相同士の会談が行われることになりました。

実現すれば、今回の軍事侵攻以降、初めて両国の外交トップが顔を合わせることになります。

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イラク戦争なども取材した、ジャパンプレスに所属するジャーナリストの佐藤和孝さんが訪ねたのは、ウクライナ西部の街・リビウにある、スプーンなどの台所用品を作っていた町工場です。

しかし、現在作っているのは、金属製の大きなトゲが取り付けられた鎖や、戦車などの進軍を遅らせるためのバリケードです。

佐藤和孝さん
「タイヤをパンクさせるようなやつだな」

工場長 マキシムさん(30)
「自分が持っている金属を使ってこれを作り始めた」

ロシア軍に対抗するため、自主的に作り始めたといいます。

さらに、手榴弾の殺傷能力を高める金属製の輪っかや、地雷の有無を確かめるために投げるという道具など、台所用品の町工場で、市民ボランティアの手も借り、軍用品が作られていました。

マキシムさん
「私たちは、手助けのためにできることはやらなければ」

ロシア軍の侵攻で一変した日常。

ジャーナリスト ジャパンプレス・佐藤和孝さん
「戦争中なので命を落とすこともあるが、命についてどう考える?」

マキシムさん
「私が死ぬとすれば、自分たちの国を守るために死ぬだろう。家族と国を守るために何でもやるだろう」