ロシアのプーチン大統領がウクライナの東部と南部の4つの州を併合すると宣言したことを受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATO＝北大西洋条約機構への加盟を正式に申請すると表明しました。

日本時間先月30日夜、クレムリンで演説し、ウクライナの4つの州の併合を宣言したプーチン大統領は、この地域への攻撃はロシアへの攻撃とみなすことを示唆し、ウクライナ側に停戦を呼びかけ併合に合意する「条約」だとする文書に署名しました。

クレムリンに隣接する「赤の広場」では祝賀ムードを盛り上げるイベントが行われ、プーチン大統領も姿を見せました。

プーチン大統領「われわれに真実がある。真実には力がある。だからロシアは勝つ」

一方的な併合宣言を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATOへの迅速な加盟を求め申請書に署名した上で、「ロシアとの交渉の用意はあるが、別の大統領とのことになる」と述べ、プーチン大統領とは交渉できないとの姿勢を示しました。

ゼレンスキー大統領「NATOへの加盟申請書に署名することで、決定的な一歩を踏み出そうとしている」

一方、EU＝ヨーロッパ連合は先月30日、エネルギー価格の高騰を受け緊急のエネルギー相会議を開き、ことし12月から来年3月までの間、加盟国が電力消費量の10％の削減を目指すことで合意しました。

また、価格高騰の恩恵を受けている、発電コストの低い原発などを使う電力会社から一定の基準を超えた利益を徴収することも決めました。こうした措置は、来月上旬に正式決定する見通しです。