IAEA＝国際原子力機関の総会が開幕しました。グロッシ事務局長がロシアによるウクライナ侵攻で原子力事故が起こることに懸念を示したほか、中国が福島第一原子力発電所の処理水を「汚染水」と呼び、放出に反対しました。

IAEAの年次総会は16日、オーストリアの首都ウィーンで始まりました。グロッシ事務局長は演説で、戦闘が続くなか複数の原子力発電所で事故が起こる可能性を示唆し、ロシアが占拠しているウクライナ南部のザポリージャ原発やウクライナ軍が攻撃しているロシア西部クルスク州の原発について懸念を示しました。

また、中国の代表が東京電力の福島第一原子力発電所の処理水を「汚染水」と呼び、放出に反対する従来の立場を示しました。日本代表はこれに対し、「浄化された後、さらに海水で十分に希釈されて放出されるため、人や環境に影響を及ぼすことはありません。したがって、『汚染水』と表現することは適切ではありません」と反論し、処理水の安全性を主張しました。