“大谷選手の声”が量刑に影響も? 水原元通訳…2つの罪認める
ドジャース大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告が出廷し、罪を認めました。量刑は10月に言い渡される予定ですが、被害者である大谷選手がもし今後、裁判所に意見書というものを出した場合、刑の重さが変わってくる可能性もあるといいます。
日本時間5日、ドジャース・大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告(39)が3週間ぶりに公の場に姿を現しました。
――法廷に向かう今の気持ちいかがでしょう?
――水原さん何か一言ありませんか?
報道陣の問いかけには一切応じることなく…
記者
「水原被告、今、弁護士と会話をしながらセキュリティーチェックを受けて法廷へ向かいます」
水原被告は違法賭博の借金返済のために大谷選手の口座から無断で1700万ドル、日本円で26億4000万円あまりを不正に送金したなどとして、「銀行詐欺」と「虚偽の納税申告」の2つの罪に問われています。
法廷でこれらについて問われると…
水原被告
「Guilty(有罪です)」
いずれも「罪を認めます」と答えました。
裁判官から「自分の言葉で説明してください」と問われると、大谷選手を「被害者A」と呼び、「被害者A(大谷選手)のもとで働いていて、彼の銀行口座にアクセスできた。そして賭博で大きな借金を抱えた。彼の銀行口座を使うことが借金を返済する唯一の方法だった。私は賭博のために彼の口座から送金した」と証言しました。
また、裁判の中では、自らの“学歴詐称”について事実上認める発言もありました。エンゼルスのガイドブックではカリフォルニア大学リバーサイド校を卒業したと紹介されていましたが…
裁判官
「学校は何年修了した?」
水原被告
「13年です」
裁判官
「高校までが含まれている?」
水原被告
「はい。大学には少ししか通っていません」
裁判を終えると無言で去った水原被告。事件を担当した検事によると、現地で収監され刑期を終えた後に日本へ強制送還される見通しだということです。
量刑は10月25日に言い渡される予定ですが、“罪の重さ”はどう判断されるのか。
2つの罪を合わせると量刑は最長で禁錮33年。処罰を軽減する「司法取引」の成立によって、実際は5年から6年程度になるとみられていますが、アメリカで活動する国際弁護士は、被害者である“大谷選手の声”が量刑のポイントの1つになると指摘します。
米4州で活動 吉田大国際弁護士
「実際にどのような犯罪の影響があったか、個人的な気持ちを裁判所に伝えるということが制度化されている。大谷選手側としては、『こんなにつらい思いをした』『このことが心配で仕事=野球に集中できなかった』というような。個人的な感情面も含めたリポートを裁判所に送ることによって、量刑を枠の中でより重い方向にもっていってほしいという思いを実現化するための制度」
もし大谷選手がこの制度を使った場合、刑が重くなる可能性があるといいます。
水原被告が罪を認めたことを受け、問題を調査していたMLBは「大谷選手は詐欺の被害者とみなし、この問題は終結した」とし、調査を終えることを明らかにしました。
裁判後、大谷選手は声明を発表しました。
大谷選手
「捜査が完了し罪も全て認められた今、私、及び家族にとっても重要な終結を迎えることができました。この事件に終止符を打ち前に進む時期が来たと思っています。これからもこのチームの一員として少しでも勝利に貢献できるよう集中していきたいと思っております」
(6月5日放送『news zero』より)