スーダン日本人“退避”へ…「現地は一刻を争う状況」自衛隊の輸送機がジブチへ出発 「72時間停戦」合意も鳴り響く銃声
アフリカ北部のスーダンで今月15日以降、軍とRSF(=準軍事組織)による戦闘が行われています。WHO(=世界保健機関)によると、21日時点で400人以上が死亡、約3500人がけがをするなど情勢の悪化が続いています。そんな中、滞在する約60人の日本人などを退避させるために、自衛隊の輸送機がスーダンの周辺国であるジブチへ向かいました。ただ、避難については難しさもあるといいます。
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上空に広がる黒煙とともに銃声が鳴り響きます。アフリカ北部のスーダンで今月15日以降、市民を巻き込みながら軍とRSFの戦闘が続いています。WHOによると、21日時点でこれまでに400人以上が死亡、約3500人がけがをするなど情勢の悪化が続いています。
20日、スーダン・ハルツームに住んでいる日本人に話を聞きました。
NPO法人ロシナンテス 川原尚行理事長
「私の住んでいるところから見えるビルが空爆されたんですけども、今回は緊迫がすごく高まっている状況ですね。困っている人もいて、食料があと5日ぐらいしかないとか」
川原さんの部屋にも銃声が響くなど、市民の生活にも大きな影響を及ぼしています。
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RSFは、日本時間の21日午後1時から72時間停戦することに合意したと明らかにしました。しかし、停戦合意から2時間後には、合意前と変わらず、街には銃声が鳴り響いていました。
そんな中、21日午後3時前に愛知・小牧市の小牧基地から、自衛隊の輸送機が飛び立ちました。スーダンに滞在する約60人の日本人などを退避させるためです。
輸送機が向かった先は、スーダンの周辺国であるジブチです。ただ、避難については難しさもあるといいます。
スーダン在住のベルギー人
「脱出する方法はない。もし反乱者たちがいる検問所を通過できたとしても、次にどこに行けばいいのか…」
戦闘の激化で見通しは立っていないのです。政府関係者は、「現地は一刻を争う状況」だと話しています。
(『news zero』より)