ＥＵ（＝ヨーロッパ連合）は２９日、イギリスの製薬大手・アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスワクチンを承認しました。

このワクチンは、アストラゼネカがオックスフォード大学と共同開発したものです。２９日、ＥＵは医薬品規制を担当するヨーロッパ医薬品庁が、１８歳以上に使用することを条件に販売を認めるよう勧告したことを受け、正式承認しました。ＥＵ域内ではこれまでにファイザーとモデルナのワクチンが承認されています。

ただ、アストラゼネカはＥＵ域内にある工場で製造に遅れが出たことを理由に、３月末までに用意できるワクチンが当初の計画を大幅に下回ると通告しています。「契約違反だ」と反発するＥＵは２９日、契約書を公表し、アストラゼネカに対し、順調に供給が進むイギリスでの製造分をＥＵに回し、補てんするよう求めました。

ＥＵはさらに、加盟国で製造するワクチンをＥＵの許可なしに域外に輸出できなくする事実上の対抗措置も発表していて、ワクチンの争奪戦が激しさを増しています。