EU 加盟国製造ワクチンの輸出制限を示唆
イギリスの製薬大手アストラゼネカがEU=ヨーロッパ連合に対し、新型コロナウイルスワクチンの供給を大幅に減らすと通達したことを受け、EUは加盟国で製造するワクチンの輸出を制限する可能性を示唆しました。
ロイター通信によりますと、アストラゼネカは今年3月末までに、EU向けにワクチン8000万回分を供給することで合意していますが、実際には4割程度しか確保できないと通達したとされています。
これを受けEUは25日、加盟国内で製造されるワクチンについて今後、イギリスなどEU域外へ輸出する際は「事前の許可が必要になる」との声明を発表しました。輸出制限も辞さないと警告した形です。
EUの強硬姿勢の背景には、アストラゼネカに開発資金を提供したにもかかわらずイギリスへの供給が優先されているとの不満があります。
アストラゼネカは「できる限りのことはしている」と釈明していますが、今後、ワクチン争奪戦の激化が懸念されます。