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変わる甘いタイのコーヒー 少数民族も栽培

2021年2月27日 18:33

コーヒーというと、ブラジルやエチオピアなどを思い浮かべる方も多いと思いますが、実は今、タイが新たな産地として注目されています。現地でのコーヒーブームを取材しました。

バンコクの屋台街。タイ料理と一緒に並ぶのはコーヒーの屋台です。インスタントの粉を溶かし、ミルクや砂糖をたっぷり入れて飲むのが一般的。このタイコーヒーが今、大きく変わろうとしています。

人気カフェのひとつ『Factory Coffe』。こだわりのコーヒーに、おしゃれなラテなどもあり、毎日行列が絶えません。

『Factory Coffee』カフェオーナー・ニックさん「最近のお客さんは高品質のコーヒーや味にこだわりがある」「豆は主に国産の豆をセレクトしている。今タイのコーヒーは海外のコーヒーに負けていないと思う」

酸味が柔らかく飲みやすいのが特徴のタイのコーヒー。

実は今、コーヒー豆の産地としてタイが高く評価されています。輸出量も拡大を続け、日本の大手航空会社の機内食にも導入されるなどしています。

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タイ有数のコーヒー豆の産地最北部のチェンライ。山岳部に暮らす少数民族が栽培を担っています。ただ、以前は違う風景が広がっていたといいます。

コーヒー生産者・アカ族、ソムチットさん「昔ここはケシの花で埋め尽くされてたよ。木なんて一本もなかった」

かつて、一帯では貧しい少数民族が麻薬を密造し収入を得ていました。そこで、麻薬撲滅のためタイ王室の財団がコーヒー豆の栽培を30年ほど前から支援。その品質が評価され、いまやケシ畑に変わり、良質なコーヒー豆の産地になりました。

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このコーヒーに魅せられ、バンコクでコーヒーショップを始めた日本人がいます。

タイでコーヒー店を経営・廣瀬達也さん「コーヒー農園の丁寧な仕事を見て感銘を受け、始めようと思った」

扱う豆の7割はタイ産。自ら農園を視察して仕入れています。店のコンセプトは「自分に合ったベストの一杯を見つけてもらう」こと。店では、お客さん自身が豆の種類や焙煎(ばいせん)方法、ドリップの仕方などを選びます。

廣瀬達也さん「コーヒーブームが来ていると思う。生産国でもあり、国自体も力を入れている業種。タイの人たちに家でよりおいしいコーヒーを楽しんでいただきたい」

進化を続けるタイのコーヒー。さらなる発展が期待されます。