オーストリア総選挙 極右「自由党」が初の第1党へ
オーストリア国民議会の選挙で29日、移民排斥などを訴える極右でロシア寄りの政党「自由党」が、初めて第1党となる見通しです。
選管当局の発表によりますと、開票率97.3%の時点で、「自由党」が28.8%の得票率で57議席、ネハンマー首相の中道右派「国民党」が26.3%で51議席、野党の「社会民主党」が21.1%で41議席となり、極右でロシア寄りの「自由党」が第1党となる勢いです。
いずれも過半数に届かなかったことから、今後、自由党が連立政権を樹立できるかどうかが焦点となります。ただ、右寄りの政策を掲げる自由党への反発は強く、連立協議は難航する見込みです。
オーストリアでは、ウクライナ侵攻による物価の高騰などから、ネハンマー首相が率いる連立政権への不満が高まっていました。こうした中、減税や難民の受け入れ制限などを訴える自由党への支持が広がったものとみられています。
今月、ドイツで行われた州議会選挙では、同様に移民排斥を掲げる「AfD=ドイツのための選択肢」が躍進しました。今回、オーストリアでも極右勢力が躍進したことに、ヨーロッパでは警戒感が広がっています。