ミャンマーのデモ活発化 若者も多く犠牲に
ミャンマーで国軍によるクーデターが発生してから1か月あまり。4日も抗議デモが活発化しています。デモ隊への圧力も高まり、3日は治安部隊が発砲するなどして、38人が死亡しました。国連は緊急会合を開く予定です。
道を埋め尽くすほどのバイクに囲まれた、1台の霊きゅう車。4日に執り行われたのは、ミャンマーで続くクーデターへの抗議デモで犠牲となった、19歳の若者の葬儀です。
大勢の人がその死を悼む中、4日も続くデモ抗議。それを威嚇するかのように、上空には軍の戦闘機が飛ぶ様子も。事実上の政権トップだった、アウン・サン・スー・チー氏らが拘束されるなど、国軍によるクーデター発生から1か月あまり。
ミャンマーの最大都市ヤンゴンでは3日も、銃声とともに立ちのぼる白い煙。その煙で視界が悪い中を、ヘルメット姿の人々が逃げ惑う様子が。道路の真ん中では激しい黒煙があがる火事も発生。
各地で激しさを増すクーデターへの抗議デモ。地元メディアは、このデモの取り締まりのため、治安部隊が自動小銃で発砲したと報じています。デモ現場には生々しい血の痕が。
国連のミャンマー担当特使は、3日のデモの参加者ら合わせて38人が死亡したことを明らかにしました。クーデター発生以降、1日の犠牲者としては過去最悪に。地元メディアが掲載した犠牲者の写真には、若者とみられる顔が多くあります。
こうした中、地元メディアが報じた防犯カメラ映像には、車から降りてひざまずく黄色い服を着た3人。すると警察官が、持っていた銃などで激しく殴りつける様子がとらえられていました。
実はこの3人、デモの負傷者を支援する医療ボランティアだといいます。多くの市民を巻き込み、悪化の一途をたどるミャンマー情勢。現地の日本人は。
国際NGOジャパンハートミャンマー事業部・早坂恭一さん(36)「2月28日がたくさんの死傷者が出た日で、その日以降空気感が変わった印象。露骨な暴力が見え始めていて大きな変化だなと思っています」
武力による弾圧を強める治安当局。国際社会からの批判がさらに高まっています。