エジプト・スエズ運河6日ぶり通航再開も…
エジプトのスエズ運河で座礁していた大型コンテナ船が日本時間の29日夜、岸から離れることに成功し、運河の通航が6日ぶりに再開されました。座礁したコンテナ船は、湖で検査を受けることになっていて、事故原因の究明に向けた調査が進められる見通しです。
座礁事故があったのは、今月23日。場所はアジアとヨーロッパを結ぶ海上交通の要で、世界三大運河の1つとして知られるエジプトのスエズ運河です。
座礁した大型コンテナ船は、世界最大級の貨物船で、全長はおよそ400メートル。そのため、船が運河をふさぐような形になっていました。そして、ほかの船が通航ができなくなって、400隻以上の船が立ち往生する事態となっていたのです。
運航する台湾の海運会社は―。
運航する台湾の海運会社「貨物船がスエズ運河に入る際、強風に見舞われた」
その後、接触した運河の岸で船を岸から離そうとする作業を続けていたのが、現地の運河当局などです。
船首の土を取り除く作業は連日にわたり、数万トン単位で土砂が取り除かれました。しかし、船を動かすには至らず、座礁から4日後には、運河当局の担当者は、「作業がいつ完了するかは明確にいえない」とも述べていました。
そして、事態が動いたのが日本時間29日夜。ついに船体を岸から離すことに成功したのです。
船体の下の土を掘り出すだけでなく、潮が満ち引きするタイミングを利用したといいます。
船を動かす作業を担当・オランダ企業CEO「潮が満ち引きする力を利用して、コンテナ船を押しながら、2隻の船が力を合わせて引っ張った」
ゆっくり、ゆっくりと動く船。その様子を見守る現地の人の姿もありました。
大型コンテナ船を所有している日本の正栄汽船は今後について。
正栄汽船HP:移送し本船の損傷状態を確認するとともに、できるだけ早期に航路に復帰することを目指します。皆様に多大なるご協力を賜りましたこと感謝申し上げます。
ただ、まだ問題も残されています。スエズ運河周辺で立ち往生した船が無数に残されているのです。
国際的な物流にも影響がでた今回の座礁事故。スエズ運河周辺の混雑解消には4日程度かかる見込みだということです。