中国で、当局への批判も辞さない姿勢を示してきた著名企業家が逮捕されました。中国では政府の意向に沿わない民間企業への統制が強まっています。

香港メディアなどによりますと、中国河北省の企業グループ「大午集団」の孫大午氏は、今月２１日、「農地の不法占拠」や「群衆を扇動し政府機関を攻撃した」などの疑いで逮捕されました。

去年１１月から、家族らとともに拘束された状態が続いていましたが、今回、正式に逮捕されたものです。孫氏は牧場や病院、食品、観光など幅広い分野の企業グループを創業した著名な企業家です。
今回、逮捕のきっかけとなったのは、国有企業との土地所有をめぐるトラブルとみられますが、孫氏は中国当局に対する歯に衣着せぬ言動でも知られており、当局の政策をたびたび批判してきたため、孫氏の支援者は“言論によって罪をかぶせられた”と指摘しています。

孫氏の企業グループは経営陣が軒並み拘束された後、去年１１月から当局の監視下に置かれていて、経営難に陥っているとの情報もあります。

中国では、政府や当局の意向に沿わない民間企業のトップが標的となり、当局に拘束されたり圧力を受けたりするケースが相次いでいて、市民の間では当局の姿勢を問題視する声が広がっています。