海南島に高級ブランド品集結 中国の狙いは
中国南部の島、海南島で、高級ブランド品などを集めた、アジア最大級の博覧会が始まりました。世界中からジュエリー、化粧品など、1300以上のブランドが集結した、このイベント。実は、中国政府の、ある狙いがあって開催されたものでした。
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中国南部の海南島。温暖な気候で「中国のハワイ」とも呼ばれています。その島が、7日、熱気に包まれていました。
7日から始まった、“高級ブランド博覧会”(正式名称:第一回国際消費品博覧会)世界中から1300を超えるブランドが、一堂に集結。
日本の大手化粧品メーカーも特大のブースでアピール。ことし秋に中国で展開するという商品も先行して限定販売します。
資生堂中国 長谷直子経営戦略本部長「海南という地が消費拡大の新たなドライバー(推進力)になると考えておりまして、この消費品博覧会がそのシンボルになると思っている」
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中国が「国家プロジェクト」と位置づける今回のイベント。内需拡大や投資を促すものですが、背景には中国政府のある構想が関係しています。それは「第二の香港」をめざし、海南島を大きな経済拠点にするというもの。そのため、中国は海南島を「自由貿易港」に指定。関税を段階的に撤廃させるなど大胆な改革を進めているのです。
改革の影響で、島内では“ある現象”が起きています。
ブランド店内では、中国人旅行客によるいわゆる“爆買い”が見られました。実は、海南島では特別な免税措置が講じられていて、1人あたりの免税上限額は、去年、およそ50万円から170万円まで引き上げられました。
高級ジュエリー店から出てきた人は。
買い物客は―「腕時計を買いました。着いたばかりなのでまだこれだけ」
およそ124万円の時計を購入したといいます。パンデミック(世界的大流行)前は、日本で見られた“爆買い”ですが…。
買い物客は―「(Q今後海外に買い物に行きますか?)行かない。ここで買えるし便利ですから」
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圧倒的なスピードで進む海南島の“改革”。その一方、先月には、習近平国家主席自ら、新たな軍艦の就役式に出席し、その軍事力を誇示。海南島は、南シナ海に面した、強大な軍事拠点としての側面も併せ持っているのです。海洋進出の足がかりとコロナ後をにらんだ経済加速、中国政府の思惑が島の今の姿に見え隠れしています。