北大使館襲撃 逮捕の男出廷「亡命を支援」
金正恩政権の打倒を訴えるグループのメンバーらが2019年、スペインの北朝鮮大使館を襲撃したとされる事件で、アメリカで逮捕された男が25日、出廷しました。男は、襲撃が目的ではなく大使館の職員らの亡命を支援しようとしたと主張しています。
この事件は、2019年、スペインの首都マドリードにある北朝鮮大使館が、金正恩政権打倒を訴える「自由朝鮮」のメンバーらに襲撃され、コンピューターなどが奪われたものです。
事件後、メンバーのひとりで元アメリカ海兵隊員のクリストファー・アン被告がアメリカで逮捕されていて、25日は、スペインへの送還をめぐる審理が行われました。この中で、アン被告側は、大使館に行ったのは、襲撃が目的ではなく、大使館の職員らの亡命を支援するためだったと主張。送還された場合、北朝鮮による誘拐や殺害の危険にさらされることになると訴えました。
スペインの当局からは、強盗などの容疑で逮捕状が出ていて、法廷では、大使館職員らが後ろ手に縛られた姿や現場に残されたナイフなどの写真が示されました。アン被告の弁護士は、送還をめぐる最終的な決定が出るまでには数年かかる可能性もあるとしています。