蔡英文総統「中国がワクチン調達妨害」台湾
台湾の蔡英文総統は、新型コロナウイルスのワクチンの購入を、中国に妨害されたと批判しました。また、韓国では、余ったワクチンを希望者が当日予約し、接種できる仕組みが27日から始まりました。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
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■韓国 余ったワクチン“当日予約”
(韓国感染者 13万8311人
死者 1943人
※韓国・保健当局 27日)
13万人以上が新型コロナウイルスに感染した韓国。27日から新しい仕組みが始まりました。27日からアプリ上には、余っているワクチンの数が表示されるようになりました。
スマホのアプリには現在、各病院で余っているワクチンの数が表示されます。「7枠」と表示されているところをタッチしてみると、接種可能な病院の情報が出てきます。
ワクチンの余りがあれば当日予約し、接種を受けられます。現在、予約できるのはアストラゼネカのワクチンのみで、韓国在住の外国人を含む30歳以上の人が対象です。
街の人は、「コロナのせいでとても危険なので、早くワクチンを打って、もっと安全に生活したいです」とのことです。
韓国では、60歳から74歳の事前予約率は26日時点で、およそ62%にとどまっています。韓国政府はワクチンの無駄を防ぎ、効率的に幅広い希望者にワクチン接種を進めることで、11月をメドに集団免疫を獲得したいとしています。
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■インド 首相の人形燃やし政策に抗議
(インド感染者 2736万9093人
死者 31万5235人
※インド保健当局 27日)
2700万人以上が感染し、医療のひっ迫が続くインドでは。農村地域にある宿泊施設のあいている部屋を仮設のコロナケアセンターとして使うことに。
このケアセンターでは、これまでに80人ほどが治療を受けたということです。
ニューデリーでは、人々が密集し人形を燃やしています。燃やしているのは、モディ首相の顔が印刷された人形。実は、農業政策の新たな法律に反発し、農民たちが去年から抗議を続けているのです。
インド政府は感染拡大を懸念し、コロナ禍での大規模な集会を中止するよう要請。しかしデモの参加者からは。
デモ参加者「政府が私たちの安全を心配しているのなら、なぜ政策を撤回しないのですか。(撤回すれば)私たちはすぐに家に帰ります」
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■台湾 蔡英文総統「中国がワクチン調達妨害」
(台湾感染者 5584人(市中感染)
死者 59人
※台湾・衛生当局 27日)
今月に入って感染者が急増している台湾。ワクチンの接種率は今も人口の1パーセントほどにとどまっていて、連日、予約が殺到。安定的なワクチン確保が市民の最大の関心事となっています。
こうした中、蔡英文総統は26日、所属する民進党のオンライン会議の中で、中国にワクチンの調達を妨害されていると明言しました。
台湾・蔡英文総統「台湾政府とドイツのワクチン工場との契約が成立する直前で、中国に介入され、今も契約できていません」
ドイツのビオンテック社との間で契約成立に近づいたものの、中国に妨害されたと批判したのです。これに対し、中国・外務省の報道官は、中国からのワクチン提供を拒否している台湾をけん制。
中国外務省・趙立堅報道官「台湾が本土からワクチンを入手するのはスムーズだ。台湾が新型コロナを利用して独立を企てるのは破滅の道でしかない」
台湾政府は、欧米の製薬会社などから3000万回分のワクチンを確保できていて、ワクチンは足りていると説明しています。
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■アメリカ バイデン大統領、ウイルスの起源について追加調査を指示
(アメリカ感染者 3319万 267人
死者 59万1950人
※米ジョンズ・ホプキンス大 27日午後4時時点)
3319万人以上が感染したアメリカ。バイデン大統領は26日、新型コロナウイルスの起源について情報機関に追加調査を指示したことを明らかにしました。
大統領の声明によりますと、情報機関の報告書では、ウイルスの起源について「動物から感染したか、中国の武漢ウイルス研究所から流出したか、2つの可能性がある」と指摘。
このため大統領は、「明確な結論には達していない」として、情報機関に対し追加調査を行い、90日以内に報告するよう求めています。中国に対しては。
ジャンピエール副報道官「包括的で透明性のある国際的な調査に参加するよう、引き続き中国に求めていく」
バイデン大統領は、中国に対し、関係国と協力して、「関連データと証拠にアクセスできるよう働きかけ続ける」と強調しています。