×

市民の避難所をロシア軍が攻撃か「大量虐殺としか言いようがない」

2022年3月17日 15:24

ロシアがウクライナに侵攻を開始して3週間となります。16日、ウクライナ側はロシア軍が包囲している南東部マリウポリで市民らの避難所になっていた劇場がロシア軍の攻撃を受けたとして批判を強めています。

16日、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍に包囲されているマリウポリで、数百人の市民が避難している劇場がロシア軍に攻撃されたと述べました。犠牲者の数はわかっていません。

攻撃前に撮影された衛星画像では、劇場のまわりにロシア語で「子どもたち」と書かれているのが確認できます。

マリウポリ市長 「侵略者の攻撃により劇場が破壊された。市民が避難していた場所だ。ジェノサイド(大量虐殺)としか言いようがない」

ロシア側は攻撃を否定しているということですが、ウクライナのクレバ外相はSNSで建物が破壊される前の写真をあわせて掲載し、ロシアが民間人の避難所だと知らなかったはずがないと批判しています。

また首都キエフでは市民らに35時間の外出禁止令を出し、シェルターなどへの避難を呼びかけていましたが、この間もロシア軍がビルなどを砲撃し、ウクライナ側は死者が出ているとしています。

一方で、ウクライナ国防省は16日、ロシア軍に拉致されていたメリトポリの市長が解放され、ゼレンスキー大統領が電話で話しているとする動画を公開しました。

地元メディアはウクライナ政府高官の話として、市長はロシア軍の捕虜9人との交換で解放されたと伝えています。

こうした中、停戦協議について、ウクライナ代表団のポドリャク大統領府顧問は16日「ロシアが立場を軟化させた」とアメリカメディアに述べ、協議に一定の進展があるとの認識を示しました。

ロシア側の代表であるメジンスキー大統領補佐官は妥協案として、ウクライナがオーストリアなどのように限定的な自国の軍隊を持ちつつ中立的な立場をとることを検討していると述べています。