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中国で抑圧強まる 意識不明の娘に会えず

2021年6月18日 5:49

中国では、人権問題に取り組んできた人々への抑圧が強まっています。中国当局の措置で引き裂かれた親子の姿を追いました。

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今週、G7(=主要7か国)首脳会議は、中国の人権問題に懸念を示す首脳宣言を採択し、閉幕しました。しかし、中国政府は、“国内に人権問題はない”との立場です。

その中国で、人権問題に積極的に取り組んできた人たちがいます。いわゆる「人権派弁護士」です。唐吉田さん(52)もその1人。長年、当局に抑圧された人々を支援してきました。

唐さんはこの日、病院を訪れました。

唐さん「日本に行くためのPCR検査はここですか?」

日本に留学中の長女・唐正琪さんが、先月、突然倒れ意識不明に。唐さんは、早く娘のもとへと焦っていました。

唐さん「娘は20日間以上、会話もできない状態です」

人道上の配慮から日本大使館からのビザはすぐに発給されました。しかし、搭乗ゲートまで来たとき─。

空港の係員「(出国させない旨の)当局の通知があったと連絡が来た」

唐さん「これはどういうこと? 誰にだって家族がいるでしょ。(娘は)集中治療室で口がきけない状態なんだよ。つらくてたまらないんだ」

唐さんはわずかな可能性にかけ、経由地まで行くことにしました。そして翌朝、唐さんは成田に向かう便のカウンターへ。すると、当局者とみられる人たちが現れ、唐さんを監視します。

唐さんは、いったんチェックインはしましたが、結局、連れ戻されました。

唐さん「(警察が来て)あなたの出国は許可できない、国の安全を脅かすと言われた」

成田行きのチケットも破り捨てられたといいます。

中国では、唐さんのように弁護士資格の剥奪や移動の自由を制限されるケースが相次いでいます。

中国では、来年、習近平国家主席の続投が焦点となる共産党大会を控えています。こうした中、体制批判の芽を摘むため、当局が規制を強めているのです。

今週、唐さんはまだ意識が戻らない娘に呼びかけていました。

唐さん「会いに行きたかったけど、行かせてもらえなかった。パパは引き続き頑張って、なるべく早く君のそばに行くよ」

正琪さんは先月、25歳になりました。

唐さん「ハッピーバースデー・トゥーユー♪ ハッピーバースデー・トゥーユー♪ 君はパパが一番愛している人だよ。君の人生は始まったばかり。これから愛に包まれたもっといい人生が待っているはずだよ」

唐さんは当局に訴え続けていますが、日本行きは今も認められていません。

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