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韓国・梨泰院事故 消防から“30回近く”出動要請も…警察の対応の遅さに批判

2022年11月9日 18:59
韓国・梨泰院事故 消防から“30回近く”出動要請も…警察の対応の遅さに批判

156人が死亡した韓国・梨泰院(イテウォン)の転倒事故で、救助にあたる消防から警察への出動要請が相次いでいたにもかかわらず、対応が後手に回っていた実態が明らかになりました。韓国メディアは、警察の対応の遅さを批判しています。

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地元メディアによると、ソウル・梨泰院を訪れた13万人に対し、現場に配置されていた警察官はわずか137人でした。この状況で起きた梨泰院の転倒事故では、消防が警察へ何度も出動要請する記録が残されていました。

10月29日、事故発生13分後の午後10時28分、現場まで近づいた消防隊員から渋滞の報告を受けた指揮担当者は「車両の進入が困難なら、隊員だけ徒歩で早く現場に行け」と無線で指示。そして、「交通と人員の統制をするよう警察に迅速に要請せよ」と警察の対応を要請するよう指示します。

その後、消防は現場に到着しますが、午後10時55分に指揮担当者が「さらなる進入が困難。警察に速やかに追加の出動を要請せよ」と指示。その1分後の午後10時56分には、現場の消防車両から「全隊員はホテルの裏側に来てください。心肺蘇生が必要な患者が急増しています」と通信があり、現場の緊迫した様子が伝わってきました。

事故発生から約1時間がたった午後11時10分には、現場に到着していた管轄の消防署長が「心肺蘇生が必要な人が何人いるか数えられない。ホテルの裏側に早く警察を送るよう要請を!」と無線で通信しました。

午後11時17分には警察の機動隊に最初の出動指示が出されましたが、その後も、午後11時31分には「いま救急車が大通りを抜け出せずにいる。警察に早く追加出動するよう要請しなさい!」と出動要請が相次いでいました。

警察の機動隊が現場に到着したのは、午後11時40分ごろでした。消防から警察の出動を求める要請は、30回近くに及びました。

韓国メディアは、「警察の対応が遅すぎる」と改めて批判しています。