×

19年ぶり“日朝会談”実現は?……北朝鮮「会えない理由はない」、首相「直轄のハイレベル協議を」 両首脳が交渉したいワケ

2023年5月30日 11:10
19年ぶり“日朝会談”実現は?……北朝鮮「会えない理由はない」、首相「直轄のハイレベル協議を」 両首脳が交渉したいワケ

北朝鮮の外務次官は29日、日朝首脳会談に前向きともとれる談話を出しました。日本の官邸関係者によると、「ハイレベル協議」を打ち出した首相には強い決意があります。実現すれば19年ぶりとなる会談を行いたい思いは一致しますが、課題は多くあります。

■「強い決意で臨むというメッセージ」

有働由美子キャスター
「専門家が『極めて重要』と指摘した言葉があります。29日、北朝鮮の外務次官が『日本が関係改善の道を模索しようとするなら、両国が会えない理由はない』と、日朝首脳会談に前向きともとれる談話を発表しました」

「というのも、岸田首相は27日『会談を早期に実現するため、私が直轄するハイレベル協議を行いたい』と、具体的に動き出す考えを表明していました。実現すれば19年ぶりとなりますが、温度が高まってきているとみてよいのでしょうか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「『首相直轄のハイレベル協議』という言葉は初めて出てきました。ここがポイントだと話す官邸の関係者は『直轄と言っているので、首相はそれなりの決意を持っている。拉致問題は時間がない。強い決意で臨むというメッセージだ』と解説します」

■日朝それぞれの「交渉したい理由」

有働キャスター
「拉致被害者とそのご家族のことを考えると、一刻も早い交渉をと思います。ただ一方で、北朝鮮がこれだけミサイルを撃っている中、日朝首脳会談は行われるのでしょうか?」

小野委員
「少なくとも今、日本も北朝鮮も交渉を行いたい理由があります。岸田首相の思いについて官邸関係者は『日韓関係が改善した、広島サミットもやれた。そこで、次は解決していない拉致問題、北朝鮮問題に取り組む決意だと思う』と指摘しています」

有働キャスター
「外交でさらなる実績を積みたいということですね」

■アメリカと韓国はかつてないほど連携

小野委員
「一方の北朝鮮はどうか。25日、北朝鮮との軍事境界線近くで、アメリカと韓国が合同演習を行いました。それも2500人と史上最大の規模です。アメリカと韓国は今、かつてないほど強く連携して、北朝鮮に圧力をかけています」

「この状況で、北朝鮮はどう考えるのか。北朝鮮政治が専門の慶応義塾大学・礒﨑敦仁教授は『米韓との対話の可能性がない中で、北朝鮮に対話を呼びかけている日本が何を求めているか見極める狙いがあるのではないか』と分析しています」

■交渉の余地は?…首脳会談への課題

小野委員
「礒﨑教授は『(交渉について)そう簡単ではない』とみています。『拉致問題は解決済みで、譲歩すべきは日本、変わるべきは日本だという北朝鮮の原則は変わっていない』と言います。そして、日本にしてみても多くの課題があります」

「29日も、北朝鮮が人工衛星と称して弾道ミサイル発射の通告をしてきました。日本の上空を越える可能性もあり、岸田首相も『重大な問題だ』と批判。迎撃する用意もあります。このような状況では交渉どころではありません」

「そして、日本・アメリカ・韓国の関係はかつてなく強くなっています。ある政府関係者は『北朝鮮の狙いは日米韓の関係にくさびを打つこと。日本だけが抜け駆けすることはあり得ない』と慎重にみています」

有働キャスター
「非常に難しいのは分かります。ただ横田早紀江さんが訴えていらっしゃったように、拉致被害者のご家族の年齢を考えると、なんとか解決への道筋をできるだけ早くつけてくれることを強く願います」

(5月29日『news zero』より)