アメリカ原子力空母が韓国・釜山に入港…合同軍事演習へ 北朝鮮への圧力強める
日米韓3か国の外相がニューヨークで会談し、北朝鮮への対応などについて確認しました。こうした中、23日、アメリカ軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」が韓国軍との合同軍事演習を実施するため、韓国・釜山に入港しました。北朝鮮への圧力を強めることに、韓国では懸念の声も上がっています。
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23日、報道陣に公開されたのは、韓国・釜山に入港したアメリカ軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」です。
全長333メートルの巨大空母。入港の目的は、韓国軍との海上での「合同軍事演習」です。「ロナルド・レーガン」が訓練目的で釜山に入港するのは、北朝鮮が6回目の核実験を強行した2017年以来、約5年ぶりです。
アメリカ海軍幹部
「我々の目的は、朝鮮半島でのいかなる脅威に対しても結束することです」
その背景にあるのが、北朝鮮への“けん制”です。北朝鮮は、7回目の核実験の準備を終えたとされています。
北朝鮮・金正恩総書記(朝鮮中央テレビ・今月)
「我々は絶対に核を放棄できない」
今月、国会にあたる最高人民会議では核兵器の使用条件などを定めた法令を採択し、核開発をさらに進めていく姿勢を示しました。
韓国の尹錫悦政権は、今月にかけて実施した米韓の合同軍事演習で、約4年ぶりに兵力を動員する戦闘訓練を再開するなど北朝鮮への圧力を強めています。
韓国軍の制服組のトップは19日、国会で非常に強いメッセージを北朝鮮に向けました。
韓国軍合同参謀本部 金承謙(キム・スンギョム)議長
「もし北朝鮮が核使用を試みるなら、韓米同盟と我が軍の圧倒的な対応に直面することになり、北朝鮮政権がこれ以上生存できるシナリオはない」
南北の融和や反戦を訴える市民団体は、懸念を示しています。
反戦を訴える市民団体 ファン・スヨンさん
「継続して軍事的緊張を高める行為だけが互いに行われている。これが朝鮮半島の平和や関係改善に悪影響を及ばさざるを得ないとみている」
韓国市民からは次のような声が聞かれました。
「以前は対話の糸口をつかむために、窓口を開いておいたようですが、今は正直、そのようなことは見えないようでもどかしい」
「強硬策をとるべきです。あまり卑屈に行ったらダメだ」
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こうしたなか、アメリカの研究機関「38ノース」は21日、北朝鮮が東部・新浦でSLBM(=潜水艦発射弾道ミサイル)が搭載可能な新たな潜水艦の進水準備を進めているとの分析を示しました。
南北の対話再開のメドは全く立っていません。