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【時系列でわかる⑬】イスラエル首相「戦争はあと何か月も続くだろう」(26日~12月31日まで)

2023年12月27日 16:23
【時系列でわかる⑬】イスラエル首相「戦争はあと何か月も続くだろう」(26日~12月31日まで)

10月7日、中東パレスチナ自治区のイスラム組織「ハマス」が、イスラエルに向けてロケット弾などによる激しい攻撃を開始。イスラエル側も反撃し、武力衝突が激化しています。

ガザ地区で人道支援を続ける国連機関が30日、「人口の40%が飢餓の危機にある」と窮状を訴えました。

戦闘は続いていて、ガザ地区の保健当局は30日、24時間で165人が死亡したと発表しました。

こうした中でも、イスラエルのネタニヤフ首相は30日、「戦争はあと何か月も続くだろう」と強調していて、事態の打開は見通せない状況です。

武力衝突をめぐる動きを、時系列でまとめます。
(記事中の日付は原則、現地時間です)

■12月26日 イスラエル軍 ハマスとの戦闘「今後何か月も続くだろう」 ネタニヤフ首相“和平3条件”米紙に寄稿

イスラエル軍は、26日、イスラム組織ハマスとの戦闘について、「今後何か月も続くだろう」として、パレスチナ自治区ガザ地区での攻撃を続ける姿勢を改めて強調しました。

イスラエル軍のハレビ参謀総長は26日、「ハマスとの戦争は今後何か月も続くだろう」と述べました。その上で、「テロ組織の解体に近道はなく、粘り強く戦うしかない」と述べ、ガザ地区での攻撃を続ける姿勢を改めて強調しました。

こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し、和平の条件として「ハマスの壊滅、ガザ地区の非武装化、脱過激化」の3つを挙げました。その上で、「第二次世界大戦後、ドイツと日本は脱過激化に成功した」と持論を述べています。

一方、イスラエル軍とイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間でも攻撃の応酬が激化しています。

イスラエル側は、26日、レバノンのモスク周辺から発射されたミサイルが、北部の教会に着弾したと発表し、「外交的な解決ができない場合などあらゆるシナリオに備えている」として、ヒズボラ側をけん制しました。

■12月26日 米大統領補佐官とイスラエル戦略問題相が会談 ~ロイター通信

ロイター通信によりますと、アメリカのサリバン大統領補佐官とイスラエルのデルメル戦略問題相が26日、会談しました。会談では、残りの人質を取り戻すための取り組みや、戦闘が終結した後のガザ地区での統治のあり方などについて協議したということです。

■12月27日 イスラエル軍 ガザ地区中部の難民キャンプなどで攻勢強める

イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザ地区中部の難民キャンプなどで攻勢を強めていると明らかにしました。

AP通信によりますと、イスラエル軍の報道官は27日、イスラム組織「ハマス」との戦闘をめぐり、ガザ地区中部のブレイジ難民キャンプや、南部の主要都市ハンユニスで部隊を増員するなど攻勢を強めていると明らかにしました。

激しい戦闘によって、新たに数千人が避難したということです。

ハンユニスでは、イスラエル軍の空爆で20人が死亡したということで、病院には多くのケガ人が搬送されていました。

犠牲者が増え続ける中、トルコのエルドアン大統領は27日、イスラエル軍によるガザ地区への地上侵攻を強く非難しました。

ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺、ホロコーストを引き合いに出し、イスラエルのネタニヤフ首相を、「ヒトラーと変わらない」などと、しています。

これに対し、ネタニヤフ首相は、「クルド人を虐殺するエルドアン大統領は他人に道徳を説くべきではない」などと反発しています。

■12月27日 イスラエル軍 ガザ地区中部の難民キャンプなどで攻勢強める

イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザ地区中部の難民キャンプなどで攻勢を強めていると明らかにしました。

AP通信によりますと、イスラエル軍の報道官は27日、イスラム組織「ハマス」との戦闘をめぐり、ガザ地区中部のブレイジ難民キャンプや、南部の主要都市ハンユニスで部隊を増員するなど攻勢を強めていると明らかにしました。

激しい戦闘によって、新たに数千人が避難したということです。

ハンユニスでは、イスラエル軍の空爆で20人が死亡したということで、病院には多くのケガ人が搬送されていました。

犠牲者が増え続ける中、トルコのエルドアン大統領は27日、イスラエル軍によるガザ地区への地上侵攻を強く非難しました。

ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺、ホロコーストを引き合いに出し、イスラエルのネタニヤフ首相を、「ヒトラーと変わらない」などと、しています。

これに対し、ネタニヤフ首相は、「クルド人を虐殺するエルドアン大統領は他人に道徳を説くべきではない」などと反発しています。

■12月28日 イスラエル軍空爆、ガザ地区南部ラファで20人死亡

イスラム組織ハマスの掃討作戦を続けるイスラエル軍の空爆でガザ地区南部のラファでは20人が死亡するなど多数の犠牲者がでています。

エジプトに近い南部ラファで撮影された映像です。がれきの下敷きになって動けなくなっていた乳児は生存した状態で救助されたということです。

空爆で破壊された建物には逃れてきた住民が避難していたとされ、ラファでは少なくとも20人が死亡し55人が負傷したということです。

また、南部の主要都市ハンユニスでも空爆で住宅が破壊され8人が死亡したということです。

イスラエル軍は、ハマスの活動拠点があるとして中部でも難民キャンプを空爆するなど人口密集地にも攻撃を行っていて、ガザ保健当局は28日、過去24時間で210人が死亡したとしています。

こうしたなか複数のメディアは、エジプトが3段階の停戦案を提案する中、ハマスの代表団が29日にカイロを訪れ、戦闘休止に関する協議を行うと報じています。

■12月29日 ハマス側“人質解放交渉の再開”に前向きな姿勢~現地メディア

イスラエルのメディアは、イスラム組織「ハマス」が人質解放交渉の再開に前向きな姿勢を示していると報じました。

イスラエル・メディアによりますと、ハマス側は人質解放交渉の再開に「基本的に同意する」としていて、仲介役のカタールがイスラエルに対し、このメッセージを伝えたということです。

ガザ地区での戦闘を1~2週間休止した上で、ハマスがおよそ40人の人質を解放することと引き換えに、イスラエルも拘束中のパレスチナ人を多数釈放するという条件で、交渉が進められるものとみられています。

ただ、ハマス側はこれまで恒久的な停戦なしに人質を解放することはないと繰り返し主張していて、実際に交渉が進むのかどうかは依然不透明です。

■12月30日 ガザ地区「人口の40%が飢餓の危機に」 食料不足が深刻化…国連機関が窮状訴え

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ地区で人道支援を続ける国連機関が30日、「人口の40%が飢餓の危機にある」と窮状を訴えました。

パレスチナ自治区ガザ地区で人道支援を続ける国連機関の現地事務所長は30日、旧ツイッターの「X」に支援物資を載せた車列に人々が押し寄せる様子を投稿しました。

現地は食料不足が深刻化していて、「ガザ地区の人口の40%が飢餓の危機にさらされている」と窮状を訴えています。

しかし、戦闘は続いていて、ガザ地区の保健当局は30日、24時間で165人が死亡したと発表しました。

こうした中でも、イスラエルのネタニヤフ首相は30日、「戦争はあと何か月も続くだろう」と強調していて、事態の打開は見通せない状況です。