プーチン大統領、パレスチナ問題で“漁夫の利”なぜ?……米はイスラエル支援を優先 専門家「ウクライナへの支援疲れは加速」
パレスチナ自治区「ガザ地区」を実効支配するイスラム組織「ハマス」とイスラエルとの衝突を巡り、ロシアのプーチン大統領が漁夫の利を得ています。アメリカではユダヤ人の存在感が大きく、ウクライナ支援よりもイスラエル支援が優先される実情があります。
有働由美子キャスター
「アメリカのブリンケン国務長官が12日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談し、さらなる支援を伝えたようですね」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「こうしたアメリカの対応が今後のポイントになりますが、この中東での衝突で、(ロシアの)プーチン大統領がたなぼた、漁夫の利を得ています」
小栗委員長
「アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は『今アメリカの議会にとってイスラエルの支援とウクライナの支援、どちらを優先するかというと、圧倒的にイスラエル支援だ』と話します」
有働キャスター
「理由は何でしょうか?」
小栗委員長
「アメリカにいるユダヤ人は約750万人で、(総)人口の2%に過ぎませんが、全米にまんべんなく広がって住み、しっかりしたネットワークを作っています」
「また、豊富な資金を持っていて多額の政治献金を行い、政治に積極的に関与するため、民主党にとっても共和党にとっても大切な支持層です」
「大統領選が事実上始まっていることを考えると、しっかりユダヤ人をつなぎとめておく必要があります。そのためイスラエルへの追加支援は議会でまず成立します。その一方で、ウクライナ支援は先細っていくのは間違いないということです」
「小谷教授は『アメリカの、ウクライナへの支援疲れは加速し、それを立て直せる見込みもない。この状況はプーチン大統領を勇気づけている』と指摘します」
有働キャスター
「そのプーチン大統領は、AP通信によると今回の衝突に言及する中で『子どもと女性には手を出すな』と発言しました。ウクライナにやっていることを考えると、どの口が言っているんだと思います。大国の思惑に振り回されている感じがします」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「それぞれ思惑はあるでしょうが、市民に犠牲が出るのは本当にあってはならないことです。その中でロシアが得をしているのは、はがゆいです」
「今僕はフランスにいますが、今回の争いに対する反対運動も既に始まっていて、各地でデモが行われています。そのデモを禁止するようなことも行われています。アクションをするのが早いなと思います」
「日本にとって少し遠い話になりがちですが、もっともっと世界に目を向けていかないといけないな、と改めて思っています」
(10月12日『news zero』より)