メラニア夫人、人工妊娠中絶の権利を擁護する考えを示唆
アメリカのトランプ前大統領の妻・メラニアさんは3日、自身のSNSに動画を投稿し、人工妊娠中絶の権利を擁護する考えを示唆しました。トランプ氏が大統領候補の共和党内には中絶反対派が多く、波紋が広がりそうです。
メラニアさんは3日、自身のSNSに今月、発売予定の回顧録を宣伝する動画を投稿しました。その中で、メラニアさんは人工妊娠中絶の権利を擁護する考えを語り、「全ての女性が生まれながらに持つこの本質的な権利、すなわち個人の自由に関して、 疑うことなく妥協の余地はない」と述べています。
人工妊娠中絶は大統領選挙の大きな争点の1つで、トランプ氏が大統領候補の共和党はこれまで人工妊娠中絶に強く反対してきました。
一方、民主党のハリス副大統領は中絶の権利擁護を前面に打ち出しています。2022年の中間選挙では中絶問題を争点に据えた民主党が女性や無党派の支持を集め、事前の予想を覆し健闘しました。
こうしたことからトランプ氏は大統領選での争点化を避けるために反対の姿勢を緩めていて、今月1日も自身のSNSで人工妊娠中絶を連邦レベルで禁止する法案には「拒否権を行使するつもりだ」と投稿しています。
トランプ氏は3日、FOXニュースのインタビューで今回のメラニア夫人の動画について問われ「『あなたが信じるものを書かなければならない』と伝えた」と述べました。
ワシントン・ポストはメラニアさんの発言について、「共和党が中絶問題で支持を失う中、有権者をなだめるために計算されたものだ」との見方を伝えています。