文大統領「重大な山場」ワクチン供給に遅れ
韓国の文在寅大統領は新型コロナウイルスの感染拡大で「重大な山場が続いている」と危機感を示し、ワクチン接種の速度を上げると強調しました。ただ、8月のモデルナからのワクチン供給が予定の半分以下になり、韓国政府は接種の間隔を6週間にのばすなど、対応に迫られています。
文大統領は9日行われた会議で、新型コロナウイルスの感染拡大について、ソウルを含む首都圏などで最高レベルの感染対策をとったことで「急激な拡散の遮断には確かな効果があった」としつつ、「重大な山場が続いている」と危機感を示しました。
その上で、新型コロナウイルスの遮断とワクチン接種率を高めることに総力を傾けると述べ、接種速度を上げたいとの考えを示しました。
ただ、外国からの供給に依存するワクチンの導入計画には狂いも生じています。韓国の保健当局は9日、モデルナのワクチンについて8月に当初予定されていた供給量850万回分から、半分以下に減るとモデルナから通知を受けたと明らかにしました。ファイザーのワクチンも不足しているため、この2種類のワクチン接種については1回目と2回目の接種間隔を6週間に延ばすなど対応に追われています。
保健当局はワクチンの供給の不足は世界的なものと釈明しつつ、近くアメリカのモデルナ本社に政府代表団を派遣し、早急なワクチン供給を促すということです。
9日現在、韓国で少なくとも1回のワクチン接種をした人の割合は40.8%、ワクチン接種を完了した人の割合は15.0%にとどまっています。