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2021年8月22日 15:04

あの名作ミュージカル衣装のウラ側に迫る!

あの名作ミュージカル衣装のウラ側に迫る!
(c)NNN

『アナと雪の女王』『ライオンキング』『オペラ座の怪人』――日本人にもおなじみの超人気ミュージカル。これらブロードウェーミュージカルで実際に使われていた衣装100着以上が展示されるイベントが、アメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアで2021年8月5日から始まった。(イベントは9月26日まで)

会場は上下2フロアにまたがり、所狭しと名作ミュージカルの衣装が並ぶ。これだけ著名な作品の衣装が同じ空間に展示されるのは、極めて珍しいことだ。しかも、衣装の前には一切、仕切りやケースもなく、文字通り「触れられる距離」で見ることができる。

『アナと雪の女王』の主人公・エルサのドレスには1万1754個のビーズやストーンがあしらわれ、『ライオンキング』の個性的な衣装には20億個以上のビーズが使われている。実際に客席から見てもわからないような「細部までのこだわり」が見てとれる。ほとんどが手作業で作られるミュージカル衣装。使われているビーズの数からも、気が遠くなるような膨大な時間と作業が必要だったことがうかがい知れる。今回、これだけ近くで衣装をみられるイベントを開催した理由は何だったのか?

イベント主催者ブライアン・ブライスさん
「皆さんに近づいて…10列目、20列目では見ることができないものを見てほしかったのです。ブロードウェーでは、こんなに衣装に近づくことはできないですからね。この職人技と、どれほどの苦労があったかを、ぜひ皆さんに見て、体験してもらいたいです」

実際の衣装を客に身近に体験させることで、ブロードウェーのイベントの魅力をさらに伝える…という狙い。ただ今回のイベントには、もう1つの目的もある。

新型コロナウイルスのまん延で、ブロードウェーは2020年3月に閉鎖。9月14日に本格再開することが決まったが、1年以上続いた閉鎖のため、ブロードウェーに関わる人々の生活は一変した。特に、新しい衣装を作る需要がなくなったことで、衣装をつくる職人たちは仕事を一切受注できず、苦しい生活を余儀なくされてきた。

イベント主催者ブライアン・ブライスさん
「パンデミックで業務ができなくなり、2020年には衣装業界だけで2600万ドル(約28億6000万円)の収益を失いました。多くの職人が十分な仕事を受注できておらず、皆が元の仕事に戻れているわけでもありません。(ブロードウェーの)再開には期待していますが、回復には数年かかるでしょう」

今回のイベントは、こうした衣装業界の人々を救うために企画されている。イベントの入場料は、大人が29ドル(約3190円)、子どもや学生は24ドル(約2860円)で、その収益はすべて、衣装業界の復興基金として活用される。主催者としては少しでも多くの人に見てもらうことで、ミュージカルの魅力を味わってもらいつつ、復興資金を集めたいところだ。

ニューヨークの主要な観光資源の1つ「ミュージカル」。その復興はニューヨーク全体の復興に直結するだけに、こうした「業界を支援する試み」は非常に重要な意味を持つといえる。